“ニコニコ”杉咲花から一変! 『ハケン占い師アタル』志田未来の背中を押す
さて、この第1話でフォーカスされたのは、アタルの教育係である神田だ。入社3年目で初めて大きな仕事を任されたが、周囲に同調してばかりで自分の意見も言えず、優柔不断で、自身の判断に自信がない。そのうえ家に帰れば、司法浪人中の恋人が腹を空かせて待っており、“大切なこと”はどんどん後回しになっていく。彼女は妊娠しているのだが、恋人にも会社にも言えないでいたのだ。やがて意を決して恋人に打ち明けるものの、反応は期待はずれ。神田は単身、産婦人科へと向かうのである。
そこで彼女は衝撃の事実を知る。今後の自身の進退をスマホに託し、何気なく検索をしていると、「どんな悩みも解決する、天才占い少女」という動画を見つけたのだ。そしてなんとそこには、アタルの幼き頃の姿があったのである。
いち早くアタルの特殊能力に勘づいていた神田は、すぐさま相談を持ちかける。はじめは門前払いを食らうものの、アタルは神田に、“3つだけ”なら質問に答えてやるという。それまでの終始ニコニコしたアタルからは一変、つっけんどんな態度で神田にアドバイスをするのだ。それは、「あなたには愛がない」「自分を大切にしろ」「誰にでも自分にしかできないことがある」といった、いささか道徳めいたものであった。しかしここでようやく神田は、「子どもを産んで、仕事も続けたい」という、自身の大きな決断を会社にぶつける勇気を得たのだ。
振り返ってみれば難しくないことでも、物事の渦中にいるとなかなか身動きが取れなくなることがある。今回の決断は神田自身の自信を持ったが故の行動であり、その背中を少しだけ、アタルが押したのだ。
■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。
■放送情報
木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』
テレビ朝日系にて、2019年1月17日(木)スタート 毎週木曜21:00~21:54放送
出演:杉咲花、小澤征悦、志田未来、間宮祥太朗、志尊淳、野波麻帆、板谷由夏、若村麻由美、及川光博
脚本:遊川和彦
音楽:平井真美子
ゼネラルプロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー:山田兼司(テレビ朝日)、山川秀樹(テレビ朝日)、太田雅晴(5年D組)、田上リサ(5年D組)
演出:遊川和彦、日暮謙(5年D組)、伊藤彰記(5年D組)
制作協力:5年D組
制作著作:テレビ朝日
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