永野芽郁が『半分、青い。』で見せた10代ヒロインの根性 視聴者を巻き込んだ鈴愛のエネルギー

 続けて同氏は、永野の芝居への熱意が、視聴者の本作の評価を大きく左右したのではと語る。

「永野さんは、いわゆる“憑依系”で極端に役柄に入り込んでしまうタイプの女優さんなのだろうと感じます。鈴愛を演じていたとき、本番中に本当に耳が聞こえなくなってしまったり、笑えなくなってしまったり、自分が何者かわからなくなった時期があったと話していて。オンオフができないくらい役を引きずってしまうのでしょう。それほどのエネルギーで役に向かうからこそ、視聴者側も単なるドラマとして距離を置いて見られず、良い意味でも悪い意味でも、鈴愛というヒロインの持つエネルギーに巻き込まれてしまった。脚本家・北川悦吏子さんのスタンスに対する賛否もありますが、それだけでなく、永野さんの演技にはそれだけのエネルギーがあり、だからこそ『半分、青い。』は賛否が大きく別れたのではないかと思います」

 また、物怖じしない落ち着いた永野の性格も、幅広い年代の役柄を器用に演じることができるひとつの理由だという。

「永野さんは芸歴が長いこともあって、年上の役者さんとの共演でも全く物怖じしないようです。真ん中にどんと立つ度胸があるというのも、10代の女優さんではなかなかできないことだと思います。『僕たちがやりました』で共演した水川あさみさんが永野さんのことを、とても落ち着いていて、『精神年齢32歳』と話していることもあって。キャリアや性格、様々なことを含めて、永野さんだからこそ10代から40代を背伸びではなくリアルに演じられたのだと思います」

 朝ドラヒロインを経て、1月からスタートするドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)にも出演することが決定している永野芽郁。2019年の9月には20歳を迎えることになるが、それまでの10代の期間、どのような演技を見せてくれるのだろうか。20代へと羽ばたこうとするこの瞬間を見逃してはならない。

(文=大和田茉椰)

★『半分、青い。』はなぜ新しい朝ドラとなったのか インタビュー&コラムからその軌跡を振り返る

■商品情報
永野芽郁1st写真集『moment』
価格:2,000円+税(税込2,160円)
カメラマン:熊木優
判型:B5変形
ISBN:978-4-906953-70-7
ページ数:128ページ
発行:SDP

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