有村架純と岡田健史が示した“純愛”の答え 『中学聖日記』が伝えた、人を本当に想うこととは

『中学聖日記』有村と岡田が示す純愛の定義

 翌日、誓約書の提出期限が来る。愛子とその代理弁護士の前に姿を現した聖は、自分を追ってきた晶の姿を見て、母・愛子の気持ちを理解し、彼を思うなら時間や距離、可能性を与えなければいけなかったと省み、誓約書にサインをする。聖は自らの思いまでも犠牲にする無償の愛を見出したのだ。そして晶もその思いに答える決意をする。律の携帯電話を借りた晶は「聖ちゃんに幸せになってほしい。だからもう会わない。でもずっと願ってる。幸せにって」と呼びかける。『中学聖日記』は自分をも犠牲にする無償の愛を「純愛」として描いた。決して結ばれることだけが恋愛の全てではなく、それでも人を想うことはできるのだと『中学聖日記』は訴えている。 

 しかし、この物語はバッドエンドではない。5年後、2人は再び中学生の頃のように出会う。実は聖が書いた誓約書には間違いがあった。誓約書には平成〜年と日付を記入する箇所があったが、そこには「平成2018年」という文字が。その間違いに気づいていた愛子は作中では描かれていないが、おそらく晶が社会人になった時にその誓約書を晶に手渡したのだろう。聖と晶の愛に、愛子も理解を示していたのだ。人が本当に人を想う時、どのような決断ができるのか。『中学聖日記』はその答えを教えてくれた。

※記事初出時、一部に記述の誤りがありました。訂正してお詫びいたします。(2018年12月19日15時40分)

(文=島田怜於)

■公開情報
火曜ドラマ『中学聖日記』
TBS系にて、毎週火曜22:00~23:07放送
出演:有村架純、岡田健史、町田啓太、マキタスポーツ、夏木マリ、友近、吉田羊、夏川結衣、中山咲月
原作:かわかみじゅんこ『中学聖日記』(祥伝社フィールコミックス)
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、坪井敏雄
主題歌:Uru「プロローグ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/chugakuseinikki_tbs/

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