永沼伊久也、榎田貴斗、中村大輝、川並淳一……『まんぷく』を盛り上げる“塩軍団”俳優パート2

『まんぷく』“塩軍団”俳優パート2

佐久間春男(川並淳一)

 たちばな塩業で最年長の社員の佐久間春男。塩づくり組とダネイホン組の不和の中心人物ではないものの、数秒のシーンで垣間見える最年長らしい落ち着いたキャラクター像と気さくな人柄が印象的だ。たちばな塩業にお手伝いにやってくるタカ(岸井ゆきの)の送り迎えを担当している佐久間。送り迎えのシーンのたび、神部とタカの仲睦まじい雰囲気が挿入されるのだが、佐久間はそれをからかう訳でも羨む訳でもない。タカが助手席に乗り込むと気さくに話しかけるも、その役割は送り迎えに徹している。タカに恋心を抱く“塩軍団”のメンバーとは違い、どこか大人の余裕を感じさせる姿が印象に残った。

 川並は公式インタビューで「役者として飢えている状態と役柄が合い、本当にたちばな塩業に救われました!」と話している。とはいえ、川並自身の“役者として飢えている状態”を演技にのせているわけではないところに、川並という役者の魅力を感じる。佐久間を演じることに真摯だからこそ、ちょっとしたシーンだけでも彼のキャラクターが頭に残るのだろう。

 今回ピックアップしたキャラクターだけでなく、“塩軍団”1人ひとりに人生ドラマが感じられるのが『まんぷく』の魅力である。数多くのキャラクターを“その他大勢”にすることなく、1人ひとりの背景を役者陣が丁寧に演じているからこそ、巻き起こる波乱の展開とその人間模様によりいっそうワクワクするのではないだろうか。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『まんぷく』
10月1日(月)〜2019年3月30日(土)【全151回】
作:福田靖
出演:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平/桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、メイナード・プラント、ブレイズ・プラント、岡崎体育、松坂慶子ほか
語り:芦田愛菜
制作統括:真鍋斎
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/mampuku/

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