名バイプレイヤー・川瀬陽太が語る“サブリミナル俳優”としてのスタンス 「どんな現場もやりがいの熱量は同じ」

名バイプレイヤー・川瀬陽太が語る

「どの現場もやりがいの熱量は一緒」

ーー川瀬さんのフィルモグラフィを眺めていると、人の繋がりもどんどん増えているのかなと感じます。その分オファーもひっきりなしだと思うのですが、どうやって取捨選択をされているんですか?

川瀬:基本的に取捨はしないようにしています。スケジュール的な問題や、作品の内容が近すぎるものなどは一考しますが、基本は現場の大小関わらず、いただいたオファーはすべて受ける方向で考えています。

ーー劇場公開も決まっていないような作品にも川瀬さんの名前を見かけるときがあります。若手の映画作家からしたら非常に心強い存在なのかなと。

川瀬:非常におこがましい言い方ですが、僕が出演することによって、「これ、なんかあるかも?」と思ってもらえるなら、自主映画でも出る意味があると思うんです。正直、お話をいただいて、「何もない」と思ってしまう自主映画もあるのですが、「何もない」なら「何かしようよ」と。僕が追いかけた先輩俳優たちもそうだったから。大きな現場なら制約があり、その中で何ができるかを考える。逆に小さな現場で緩いと感じるものがあるなら、そこでどう引き締めることができるかを考える。現場によって形は違えど、やりがいの熱量は変わりません。

ーーフィルムからデジタルへと移り変わり、この十数年で日本映画界も大きく変化していると感じます。川瀬さんはどのようにこの変化を見ていますか?

川瀬:できること、できないことの程度の差はありますけど、どの現場も一緒だなという感覚はあります。フィルムからデジタルに移り変わったことによって、予算の少ない映画でもゴージャスな画を撮ろうと思えば撮れる。だからこそ中身が大事になる。逆に、予算があってもチープなものはチープになってしまう。撮影中にSNSで宣伝もできるし、YouTubeにメイキング動画だって上げることができる。宣伝の方法も含めて、かつての映画界に存在していた「~ねばならない」というものはどんどん少なくなっていると思います。一方で、無軌道に広がり過ぎていると感じるものもあります。過渡期を経験した僕らが、先輩たちから教わった大事なものは遵守していきたいと思っています。

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