新垣結衣の体当たり演技に衝撃 『獣になれない私たち』が切り込む“現代社会の働き方”
「今なんでこの仕事やっているんだろう」と、働いてる自分に突如疑問を持つ人は少なからずいるだろう。入社した頃に描いていた業務以外のことを命じられ、仕方なく熟していくにつれて、どんどん“それ以外”が膨れ上がる。それでも仕事は仕事なので不満を抱えながらやるものの、上からの正当な評価は得られずアシスタントや非正規雇用から抜け出せない。
10月10日からスタートした野木亜紀子脚本の『獣になれない私たち』(日本テレビ系)は、新垣結衣と松田龍平が見つめ合う明るいビジュアルとは裏腹に、現代に働く誰もが抱える悩みや鬱憤を凝縮させた、あまりにも心が痛むドラマだった。新垣結衣演じる深海晶は、ECサイトの制作会社に営業アシスタントとして勤務する30歳。しかし、立て続けに社員や社長秘書がやめてしまい、会社は人手不足なため、業務外のことを押しつけられている。
晶を振り回すのは、伊藤沙莉演じる松任谷夢子、犬飼貴丈演じる上野発の2人のポンコツ社員と、24時間ひっきりなしに連絡してくるせっかちな社長・九十九剣児(山内圭哉)。松任谷は身内には饒舌なのに、社外に出た途端パニックになるあがり症で、上野は取引先の会食では居眠りをかまし、窮地に陥ると仮病で早退する責任感の低い人間だ。(でも上野はデスクトップのアイコンを、丁寧に「うえの」の形に並び替えている。そういうところは頑張る)