松田龍平、『泣き虫しょったんの奇跡』での飛躍 『獣になれない私たち』で男女ともに憧れる男へ?

松田龍平、『けもなれ』で新たなステップ?

 10月10日22時より放送となる野木亜紀子脚本『獣になれない私たち』(日本テレビ系)で新垣結衣とW主演を務めるのが松田龍平だ。本作は、新垣演じる仕事に恋に悩む“等身大の現代女性”深海晶と、松田演じる“世渡り上手な毒舌男”根元恒星の2人によるラブコメディ。野木×新垣のラブコメディといえば当然思い出されるのが“逃げ恥”として大ヒットを記録したドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)ということもあり、本作への注目度は今クールの連続ドラマの中でも高いと思われる。松田は、本作が日本テレビドラマ初出演でもあり、野木×新垣の黄金コンビに飛び込む形とも言えるだろう。

松田龍平

 松田の連続ドラマのレギュラー出演は去年放送されたドラマ『カルテット』(TBS)以来となる。松田の過去出演作を振り返ってみると、何を考えているか分からないひょうひょうとしたキャラクターの印象が強い。もはや彼ならではとも言える独特の雰囲気は、映画『散歩する侵略者』の「宇宙人に体を乗っ取られた人間」、映画『羊の木』での「元受刑者の青年」といった“普通”ではない人間の役として、存分に発揮されている。

 だが、本作において松田が演じるのは宇宙人でもなければ、元受刑者でもなく、世渡り上手な毒舌男であり、しかも本作はラブコメディだ。実は、彼の独特の雰囲気は、コメディとも相性がいい。そんな松田について、ドラマ愛好家・麦倉正樹氏は次のように語る。

「松田龍平さんの芝居の上手さは、何よりもその独特な“間”の取り方にある気がします。なので、コメディ演技も得意と言えるでしょう。実際『まほろ駅前』シリーズでの瑛太さん、『探偵はBARにいる』シリーズの大泉洋さんとの共演など、軽妙なやり取りが楽しい“コンビもの”の印象もあります。しかも、どちらかというと松田さんはツッコミではなくボケ担当な印象があり、その独特な“間”の取り方に、思わずクスリとさせられることも多いですよね(笑)」

 “コンビもの”という意味では、野木脚本作品にも共通する部分があるかもしれない。『逃げ恥』では、星野源と新垣による理性的過ぎる男女の奇妙かつ愛らしいやり取り、ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)においても、乱暴な井浦新とそれをなだめる石原さとみの掛け合いは、作品の大きな魅力となっていた。『獣になれない私たち』では、マイペースな松田と、コメディエンヌとして才覚を発揮する新垣による会話のラリーの“間”も見どころの一つだ。

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