田中圭がついに現場に! 『おっさんずラブ』とは対照的な『健康で文化的な最低限度の生活』の演技

『ケンカツ』田中圭が現場に立つ!

 京極は光のもとを訪れて謝罪し、生活保護での援助を決定。かなり危険な道を通ることとなったが、なんとか前向きに事が運んでいるように見えた。しかし、あの父・雷が自らを京極だと偽り、光の入院している病院を訪れる。光自身が父との面会を拒絶しており、医師からも絶対に2人を会わせてはいけないと言われていたのにもかかわらずだ。雷が光の病室の扉に手をかけたところ、間一髪で阻止することにえみるたちは成功するが、京極が駆けつけていなければどうなっていたか、想像するのも恐ろしい。

 その京極を演じる田中。爆発的に人気と知名度を上げた『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)での好演も記憶に新しく、冴えない佇まいと、くるくると変化するお茶目な表情が印象的であったのに対し、今作での京極役はまさに対照的だ。これらを続けて観ている方ならば、田中の演技の振れ幅の大きさに十分な理解を持たれるのではないだろうか。彼は主演の吉岡より一回り年上だが、こういった後輩たちを導く先輩的ポジションに絶妙にハマるほど、演者として、1人の男性として、まさに脂が乗ってきている。

 えみるたち新人ケースワーカーに影響を与える存在の京極。だが、半田の静かな活躍も忘れてはいけない。今回の件で自信をなくしたえみるに、彼は「義経さんのおかげで明日が見えるようになった利用者もいる」と声をかけ、さらに彼女のことを「伴走者になる力を持っている人」と称した。物語の最後、これからPTSDの治療を受ける光に「味方でいますから」と伝えたえみるに対し、光は初めて、そっと笑顔を見せる。この笑顔を引き出した彼女の後ろには、タイプの違う先輩2人の存在があるのだ。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■放送情報
『健康で文化的な最低限度の生活』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:吉岡里帆、井浦新、川栄李奈、山田裕貴、小園凌央、水上京香、安座間美優、谷まりあ、鈴木アメリ、内場勝則、徳永えり、田中圭、遠藤憲一ほか
原作:柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
脚本:矢島弘一、岸本鮎佳
監督:本橋圭太、小野浩司
プロデュース:米田孝(カンテレ)、遠田孝一(MMJ)、木曽貴美子(MMJ)、本郷達也(MMJ)
制作協力:メディアミックス・ジャパン
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/kbss/index.html

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