ネットでは「羨ましい」の声 『高嶺の花』石原さとみ&峯田和伸のキスシーンを振り返る

『高嶺の花』キスシーンを振り返る

 そして訪れた「Love Me Tender」タイム。第3話前半では一方的に直人の行動が責められてきたわけだが、実は直人は父の死がきっかけで自分の庭=物語が止まっていることをここで明らかにする。直人が、介護が必要となった母、商店街の人々、問題のある中学生・堀江宗太(舘秀々輝)ら数々の人の面倒を見てきたのは、決して上から目線なのではなく、彼は他者を助けることでしか自分の存在を見いだせなかったからだろう。

 誰からも愛され頼りにされる直人のこぼれ落ちる涙を見たももは、そっと彼に口づけをする。ももが直人の涙を手で拭い、唇を触った後でのゆっくりとしたキスはネット上でも「羨ましい」と反響。ただ1つだけ言わせてほしい。直人は恋愛経験のない設定のはずだったが、あのシーンは確実に、ももの唇を迎えにいっていた。劇中でも出てきたクマのヌイグルミ的愛らしさのある“プーさん“こと直人の男の部分を垣間見た気分だった。

 衝撃のキスシーンが描かれた第3話だったが、ななを演じる芳根京子の悪女の部分が開花する点も見どころだったといえよう。『べっぴんさん』(NHK)、『海月姫』(フジテレビ系)とどちらかというと内気な心優しい女性役を務めてきた彼女が、恋に翻弄されるなな役でこれからももとライバル関係になっていく。運命を変えてやると決意した彼女の目には、ずっと姉の影に隠れてきた彼女の覚醒が映っていた。

 ももと直人の恋が進むに連れて、複雑になっていくももの周囲の人々の関係。キスという急展開が起こったからには、次週以降泥沼化する人間模様を期待してしまう。

(文=阿部桜子)

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■放送情報
『高嶺の花』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00放送
出演:石原さとみ、峯田和伸、芳根京子、千葉雄大/升毅、十朱幸代/戸田菜穂、小日向文世ほか
脚本:野島伸司
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:松原浩、鈴木亜希乃、渡邉浩仁
演出:大塚恭司、狩山俊輔、岩崎マリエ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/takanenohana/

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