Twitterでは困惑の声も 『花のち晴れ』“ほぼ完璧な結末”となった最終回を考える

『花のち晴れ』最終回を考える

 それだけに、天馬から別れを告げられ涙まで流した音が、果たして晴と一緒になりたいと本気で思いながら、誰かに背中を押されることを待っていたのかということだけは疑問が尽きない。ここ数話の彼女の姿を観ていると、最後の彼女の決断はずいぶんと身勝手に見えてしまうのは否めないだろう。ここもまた、原作と異なるドラマオリジナルのエンディングになったわけだが、晴と音が結ばれるというお決まりな展開であっても違和感が生じるほどに、音は揺れすぎてしまったのではないだろうか。

 しかも放送終了後のTwitterには困惑の声が多数。『君の名は。』のように2人のモノローグが交錯し合い、2人の今後の妄想、そしてめぐり逢うことなく終わりを迎える。音の心情の甘さや原作からかけ離れた展開は置いとくとしても、せっかく晴がワシントンをネックレスにしたのだから、それが“土星のネックレス”のように機能して、先週の西門の「歴史は繰り返される」の言葉通りのフィナーレをしっかりと見せてもらいたかったというのが『花男』ファンの本音ではないだろうか。この不完全燃焼は、絶対に“リターンズ”として払拭してもらわなくては。

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■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『花のち晴れ~花男 Next Season~』
出演:杉咲花、平野紫耀(King & Prince)、中川大志、濱田龍臣、飯豊まりえ、今田美桜、鈴木仁、中田圭祐、反町隆史、佐々木すみ江、デビット伊東、木南晴夏、堀内敬子、テット・ワダ、志賀廣太郎、高岡早紀、滝藤賢一、菊池桃子
原作:神尾葉子『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(集英社『少年ジャンプ+』連載)
脚本:吉田恵里香
音楽:大間々昂
主題歌:「シンデレラガール」/ King & Prince(Johnnys’ Universe)
プロデュース:瀬戸口克陽
協力プロデュース:齊藤彩奈
演出:石井康晴、坪井敏雄、岡本伸吾
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/hana_hare/
公式Twitter:@hanahare_tbs
公式Instagram:@oto_edogawa

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