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Twitterでは困惑の声も 『花のち晴れ』“ほぼ完璧な結末”となった最終回を考える

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  幕を開けた晴(平野紫耀)と天馬(中川大志)の武道三番勝負。1戦目で瞬殺された晴は右手を負傷するのだが、それでも持ち前の負けん気の強さで闘志をむき出しにする。一方で天馬もまた「彼は棄権なんてしない」と、晴の性格を理解している様子を見せるのだ。6月26日に放送されたTBS系列火曜ドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』ついに迎えた最終回は、メインキャラクターのほとんどにほぼ完璧な結末が用意されながらも、ただ1人、主人公である音(杉咲花)の優柔さに少々疑問が残る幕切れとなったように思える。

 原作では近衛(嘉島陸)が音に対する襲撃の黒幕だったと知って動揺した天馬が2戦目の弓道で敗れ、3戦目の剣道を棄権。晴が不戦勝で3番勝負の幕を閉じる。しかし原作漫画は物語の途中に当たるエピソードであったのに対し、こちらでは3ヶ月続いた連続ドラマのフィナーレ。原作とは異なる結末を迎えることは充分に想定の範囲内だ。

 その点では、しっかりと晴と天馬の真剣勝負が行われるというのは非常に見応えのある場面であったといえよう。“F4”の西門(松田翔太)から伝授された“抜き胴”を華麗に決めることに期待したくなる中、晴は持ち前のヘタレが発揮し、第1話での不良相手の喧嘩シーンと同様に “ラッキーパンチ”で勝利をもぎ取ることに。ここはあえてヒロイックさよりもコミカルさを選択したというわけだ。その前夜のシーンで音の家を訪れ「お前はお前の好きにしていいんだ」とものすごくカッコよく決めていたとはいえ、この落とし方はなかなか『花晴れ』らしい展開といえよう。

 いわば、対人的な部分では音によって大きな変化を迎えた晴であっても、持って生まれた“ヘタレ”キャラは変わらないという、神楽木晴の魅力が描かれたということだ。同じように、ここ数話でこれまでの“絶対的王子様”キャラに綻びが生じていた天馬も、戦いに負けたあとに自ら握手を求めたり、一度突き放した近衛を許したり、音に別れ話をする際のひとつひとつ丁寧に真摯な言葉を述べる様など、その持ち前の魅力を回復していった。

 そして何と言っても、晴を正々堂々と応援するためにと自ら身を引くメグリン(飯豊まりえ)と、タコパというコミュニケーションツールを手に入れた愛莉(今田美桜)が最終回でもさらに株を上げる。晴に別れを告げた後に、道場を後にしたメグリンが1人泣き始めるところで宇多田ヒカルの挿入歌が流れ始め、メグリンお手製の弁当をかき込む晴の姿とクロスカッティングされると、あたかもこの2人の恋模様がメインプロットなのではと錯覚せずにはいられないほどドラマティックに映える。愛莉も、音を送り出した天馬をタコパに誘い、失恋の先輩としてアドバイスを囁くなど、愛らしい魅力を炸裂させた。

 しかも弓道の試合の直前、英徳の生徒たちが大勢応援に駆けつけたことを見た愛莉はこのドラマの核心ともいえる部分を鋭く突いた台詞を発する。「海斗たちが欲しかった品格ってこういうことだったんじゃない?」。ずっと追い求めていた品格の存在をまざまざと目撃した“C5”の面々が、“5”の字になって寝転がりながら語り合い絆を深めて行く姿もまた、すべてが良い方向に、そして完璧な形にまとまっていく青春ドラマの理想的な形に仕上がっていたわけだ。

      

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