岩田剛典「ワクワクしませんか」に込められた信念 『崖っぷちホテル!』宇海から目が離せない

『崖っぷちホテル!』宇海から目が離せない

 日曜ドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)は、多額の負債を抱え、客足も遠のいた、まさに”崖っぷち”な老舗ホテル「グランデ インヴルサ」を舞台に、自由奔放な副支配人をはじめ、個性豊かな従業員たちがホテル再建のために奮闘するコメディドラマ。5月27日放送の第7話では、ホテルを崖っぷちに追い込んだ張本人とも言える、現・支配人である佐那(戸田恵梨香)の兄、誠一(佐藤隆太)が帰ってくるところから物語は始まる。

 第7話で、誠一は従業員の配置替えを相談なしに決めてしまう。戸惑う従業員の姿を見て、妹である佐那は苛立つ様子を見せるのだが、宇海(岩田剛典)はそんな誠一のやり方に「ワクワクしませんか」と賛同、配置替えをポジティブに捉える。しかしこの宇海の行動こそ、彼の信念に基づいたものであり、ホテル再建に必要不可欠だということを、わたしたち視聴者は物語の最後に気づかされる。

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 これまでも宇海は、無理難題ともいえるさまざまな課題を従業員に与えてきた。課題に対し、困惑した表情を見せる従業員も多かったが、宇海の特徴的な台詞に押され、課題に取り組むことになる。特徴的な台詞とは、「ワクワクしませんか」である。宇海を演じている岩田は、この台詞を発するとき、目を輝かせ、ワクワクしてたまらないといった表情を見せる。宇海の素性は未だはっきりとは明かされていないが、彼がどれだけホテルを愛し、ホテルマンとして人をもてなすことに誇りを持っているかがその台詞に集約されているように思う。現に彼が「ワクワク」することは、従業員にとって無茶な課題になるのは事実だが、ホテルを良い方向に導くものであることは各話を見ていただければ一目瞭然だ。そして宇海は、その「ワクワク」する課題の本質を従業員自身が感じられるよう、彼らにさりげなく手助けしつつも、最終的には彼らだけの力で課題を乗り越えられるよう仕向けてきた。

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 ホテルを崖っぷちに追い込んだ張本人である誠一に、古くから勤めてきた従業員たちは不満を募らせる。そんな彼らは、ホテルのピンチを幾度となく救ってきた宇海に、突然の配置替えを「なんとかしてよ」と投げかけるが、「配置替えをすることで、経験したことのない分野を学ぶことができる」と宇海はポジティブに返す。

 自由奔放な宇海を、岩田は「イメージはディズニーの妖精さん」と話す(番組公式サイト参照)。ニコニコとした表情を絶やさず演じている彼だが、ニコニコ笑っている“だけ”の人物かというとそうではない。彼は恐らく、ホテルが良い方向に向かっていることを確信している。そしてその要因が、このホテルで働き、このホテルで働くことに誇りを持った従業員たちそのものだということを確信しているのだ。

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