岩田剛典「ワクワクしませんか」に込められた信念 『崖っぷちホテル!』宇海から目が離せない

『崖っぷちホテル!』宇海から目が離せない

 佐那の心配をよそに配置替えは決行され、はじめは慣れない役職にうまく動けない従業員もいた。しかし彼らはもう、かつての「崖っぷちホテル」従業員ではない。業務終了後、自発的に集まり、互いの仕事を教え合う講習会を開いていた。佐那がその様子を見ている宇海が現れる。暗い顔をしている佐那に話しかける宇海。

「ここにいるみなさんは味方です。あなたの。まずは目の前のお客様を笑顔にしてから、色んなことを考えましょう。それがホテルマンです」

 「ワクワクしませんか」という特徴的な台詞で、自由奔放に振舞っていたかのように見えた宇海だが、彼の信念は第1話から一度も揺らいでいない。彼はホテルマンなのだ。目の前のお客様を第一優先に、どうしたらお客様に喜んでいただけるか、心地よく過ごしてもらえるかを常に考えている。「それがホテルマンです」と言った宇海の目は、ホテルマンとしての誇りが垣間見えた。岩田は、この宇海のホテルへの想いが詰まった台詞を真摯に受け止め、発したのだろう。宇海というキャラクターの真髄が、視聴者に届いた瞬間だった。

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 誠一は、従業員をファミリーと呼びながらも、彼らに何も告げることなくホテル売却の話を進めていた。しかし宇海や時貞(渡辺いっけい)が「グランデ インヴルサ」の常連客や株保有者から株を買い集め、総支配人としての権利を佐那に戻すことで、ホテル売却の話はなくなる。宇海は誠一に対し、「従業員のこと、ファミリーって呼んでましたよね。でも、家族を傷つける人は家族じゃないですから」とあっけらかんとして言ってのける。後々佐那に「お兄さんのこと、好きでしたよ」と話す宇海。しかし彼はホテルマンとして、ホテルを守るために当たり前の選択をしただけだ。

 今後、宇海がなぜこれほどまでに「グランデ インヴルサ」を良くしようとするのかが明かされていくことだろう。いちホテルマンとして、ひょうひょうとした姿を見せながらも、誇りを持って行動する宇海から目が離せない。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■番組情報
『崖っぷちホテル!』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:岩田剛典、戸田恵梨香、浜辺美波、中村倫也、くっきー(野性爆弾)、佐伯大地、鈴木浩介、チャド・マレーン、宮川大輔、りょう、西尾まり、渡辺いっけい
脚本:土田英生
チーフプロデューサー:福士睦
プロデューサー:福井雄太、柳内久仁子(AX-ON)
演出:猪股隆一
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/gakehote/
公式Twitter:@gakehote2018

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