『ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~』インタビュー
パトリック・シュワルツェネッガーが語る、『ミッドナイト・サン』ベラ・ソーンとの関係性
映画『ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~』が現在公開中だ。2006年公開のYUI主演映画『タイヨウのうた』のハリウッド版リメイクとなる本作は、太陽の光にあたれない“XP”という病をかかえる17歳のケイティがチャーリーと出会い、病気のことを隠したまま、次第に恋に落ちていく物語。
今回リアルサウンド映画部では、本作のヒロイン・ケイティと恋に落ちていくチャーリーを演じたパトリック・シュワルツェネッガーにインタビュー。ケイティを演じたベラ・ソーンとの関係性や、本作の魅力について語ってもらった。
「恋愛は普遍的なテーマ」
ーー本作は、幼い頃から家の外に出ることができなかった17歳のケイティの、最初で最後の恋を描くラブストーリーです。ラブストーリーはお好きですか?
パトリック・シュワルツェネッガー(以下、シュワルツェネッガー):観にいくのは好きだよ。特に好きなラブストーリーは『きみに読む物語』。最近では『シェイプ・オブ・ウォーター』がすごく気に入っているよ。あとは『ロミオ&ジュリエット』。僕自身というよりも、僕のガールフレンドがラブストーリーを好きだから一緒に観にいくことが多いかな。
ーーラブストーリーにはどんな魅力を感じますか?
シュワルツェネッガー:恋愛っていうのは、現在進行形の人もいれば、過去に経験をした人もいる。多くの人にとって普遍的なテーマだと思うんだ。その映画を観て、その役を通して、自分のこれまでの恋愛経験を追体験することがよくあるね。それが完璧な恋愛なのか、葛藤を抱えた恋愛なのか。映画を通していろんな気持ちを体験できる魅力があるよね。
ーー本作は初の主演作ですね。オーディションを受けようと思ったきっかけはどんな理由だったのでしょう?
シュワルツェネッガー:脚本を読んで惹かれた部分が大きいね。病気を持った人との関係性を描く点が、とてもユニークだなと感じたんだ。すでに日本でこの作品が人気を集めていて、成功した実績があったところも興味を惹かれところではあるよ。
ーーオーディションには、どんな気持ちで臨んだのでしょう。
シュワルツェネッガー:オーディションに臨む前、かなり準備に時間を費やしたんだ。セリフをよく研究して、その背景を考えることにね。僕は、いつも演じるときに5つのWを問う。「Who」誰なのか、「What」何をしている人なのか。「Why」どうしてどういう背景なのか、なぜこのセリフを言うのか、なぜこういう設定なのか。「When」いつことが起きていて、「Where」どこで何が展開するのか。そういった文脈と事前の状況を重ねて、ここに至っているということをじっくり考えて一つひとつ紐解いていくんだ。そういった準備を徹底して臨めたことが、オーディションでの自信につながったと思うよ。
ーー出演が決まったときに監督からはどんな言葉をかけられましたか?
シュワルツェネッガー:実は、オーデションの後に監督から朝食に誘われたんだよ。最初はたわいもない話をしていて、監督が「いやぁ、今回ね、ありがとうよくやってくれたよ。でも残念ながら、もうここまでなんだよね」と。でもその後に「嘘だよ」と冗談だったことを明かしてくれて、真相を聞かされたんだ。一瞬、僕は監督の言葉を真に受けていたから、とても驚きだったよ(笑)。
「チャーリーの姿が、僕自身と重なることは多かった」
ーーチャーリーはどんなキャラクターだと思いますか?
シュワルツェネッガー:チャーリーは本当に絵に描いたような人気者なんだ。水泳選手で、学校でも友達がたくさんいる。けど、彼は彼なりに失ったものがあって、いろんな葛藤を抱えている。そんなときにケイティに出会って、病を知った後でもさらに彼女への愛が深まっていくんだ。その経験を通して彼は自信を取り戻すことができて、同時に彼女にも人生で最高の経験をさせてあげようとする。そういう気持ちのある人だと思うよ。
ーーチャーリーとご自身の共通点はどんな部分ですか?
シュワルツェネッガー:高校に通って夢を追う姿をはじめ、恋愛や他にもいろんな経験をしているところなど共通点は多いね。あと、自分の中でいろいろと葛藤を抱えて、ときに夢を見失って道に迷うチャーリーの姿が、僕自身と重なることは多かったかな。