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『君の名前で僕を呼んで』監督が明かす桃への思い 「日本の美味しい白桃を使えたらよかった」

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 映画『君の名前で僕を呼んで』が4月27日に公開された。本作は、北イタリアを舞台に、17歳のエリオと24歳のオリヴァーがひと夏の恋に落ちる姿を描いた物語。『モーリス』『日の名残り』のジェームズ・アイヴォリーが脚本を務め、『胸騒ぎのシチリア』のルカ・グァダニーノがメガホンを取った。

  今回リアルサウンド映画部では、監督ルカ・グァダニーノに電話インタビュー。製作に9年かかった経緯と、エリオとオリヴァーによる美しき性描写などについて聞いた。

「日本の文化の知性の高さには、いつも驚かされている」

ーーポスターをはじめ、空や水、エリオとオリヴァーの服の色など劇中では青色が多く使われています。青色に特別な思いが?

ルカ・グァダニーノ(以下、グァダニーノ): 僕にとって青は、イタリアの空の色だ。舞台となっている環境に、映画全体を浸したかったんだ。だからこの映画では青を多く使っているよ。

ーー企画から撮影まで9年かかったそうですね。監督を引き受けた経緯と理由を教えてください。

グァダニーノ: プロデューサーにアプローチされたんだ。プロデューサーたちがアメリカ人で、原作の舞台がイタリアだったから、イタリアで撮影する方法やどこを舞台にすべきかなど、アドバイスを求めていたのさ。一度途中で「監督をしないか?」と打診されたんだけど、「手は貸すけど、監督はやめておく。僕が演出するなら、僕なりの方法があるから」と断った。その後、数多くの監督に話を持ちかけ、いろいろと模索をしたものの、予算的に実現できる唯一の方法は僕が監督を務めるということが分かったんだ。予算が限られていたからね。そのような経緯で僕が監督することになったのさ。引き受けた理由は、映画の実現化に向けて長年関わってきた人間としての義務だと感じたからだよ。

ーー脚本家のジェームズ・アイヴォリーとは具体的にアイデアを出し合ったのでしょうか?

グァダニーノ:いや、まったくしなかった。ジェームズが監督を務めるという話が出ていた時期もあり、彼は彼なりのアイデアがあったからね。彼はシチリアで撮りたいと言い、別の役者を起用しようとしていたんだ。その方向で映画化しようとしたのだけれど、彼のバージョンに必要な予算を確保することができず、どうしても実現に至らなかった。そうして、僕が監督をすることになり、僕は僕のやり方を貫いた。設定をシチリアからクレマに変え、僕が起用したい役者を起用したんだ。

ーーエリオ役のティモシー・シャラメとオリヴァー役のアーミー・ハマーからは演技を超えた愛を感じました。

グァダニーノ: 親密に描くために、“お互いを愛せ”と2人に指示を出した。「ミザンセーヌ(演出)やドラマは関係ない、キャラクターと同様に君たちのことを見たい」と伝えたよ。真実をスクリーンに映し出すことが、監督としての任務だと僕は思っている。だから彼らにも正直になるように頼んだね。

ーー2人が魅せるセックスシーンからは美しさを感じたのですが、性描写に芸術性を加えるための工夫はあったのですか?

グァダニーノ: それに対する答えは分からないけど、一つ言えるのは、僕はスクリーンに映るキャラクター同士の感情的なやりとりは、そのキャラクターが実在すると仮定して、同じシチュエーションに遭遇した時に見せる反応と一致すべきだと考えているんだ。僕がドラマチックな演技を求めていなかったのは彼らも理解していたよ。

ーー原作でも有名なエリオの桃のシーンは、息を飲むほど素晴らしかったです。

グァダニーノ: 日本の美味しい白桃を使えたらよかったんだけど、残念ながらイタリアの桃しかなかったんだ。僕の夢は、いつか自分の庭で日本の白桃を育てることなんだよ。実はそこからインスピレーションを得ているのさ。日本では桃を一つずつ包んで大切に育て、自然や果物と共存関係にある。ティモシーは自然を含め、すべておいて自分を反映する傾向があり、彼にこう言ったんだ。「桃と強い絆を築こう」と。「桃を育てている人が桃と築くような強い繋がりを意識しよう」と。そして「滑稽に見せないように」と。日本の文化の知性の高さには、いつも驚かされている。また監督として大島渚にも大きく影響を受けているんだ。だから僕の表現方法は日本文化とリンクしているのさ。

      

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