長谷川京子や佐久間由衣に注目! 坂口健太郎主演ドラマ『シグナル』は役者のイメージを一新させる

『シグナル』は役者のイメージを一新させる

 初回から継続して描かれていた女児誘拐殺人事件が終焉を迎え、大きく状況の動いた『シグナル 長期未解決事件捜査班』(関西テレビ・フジテレビ系)の第2話。事件の終焉後、2010年の日本は法改正が行われ、女児誘拐殺人事件の捜査に関与した桜井美咲(吉瀬美智子)や山田勉(木村祐一)、小島信也(池田鉄洋)らが長期未解決事件捜査班に異動となる。三枝健人(坂口健太郎)は8年間、アメリカで受けたプロファイリングの研修を終え、長期未解決事件捜査班に配属され、再び彼らと合流することとなった。

 第2話での女児誘拐殺人事件は、長谷川京子が演じる殺人犯・吉本圭子の自供を促すシーンから始まる。クロースアップが多く、ミステリアスな雰囲気であった初回での撮影方法から一転、取調室にいる吉本を様々な角度から映し、吉本の素顔が浮き彫りとなる。吉本の一つひとつの行動に焦点を当て、その心理状態を言い当てていく三枝は、後のプロファイラーとしての素質を感じさせる伏線となった。また長谷川は、吉本というアクの強い役柄を、挑発的で、自信に溢れ、視聴者までをも不快にさせるような仕草で演じきった。桜井が大山剛志(北村一輝)の情報を求め吉本に尋ねたときの一瞬の表情は、まさに人を煽り不快にさせるような挑発的なもので、取調室で冷静でいられなくなる三枝の感情に寄り添えるような芝居であった。

 また、公訴時効の改正については、原作の『シグナル』では舞台が韓国のため、2015年に殺人罪の時効廃止となっている。これをリメイク版の同ドラマでは、日本を舞台にしたため、実際の法改正に基づき2010年に時系列を変更している。現代に話を戻すための帳尻合わせに、三枝が8年間プロファイリングの研修を受けるためにアメリカに渡っていたという設定が付け加えられていた。さらに、8年の年月を表すため、長期未解決事件捜査班の山田や岩田一夫(甲本雅裕)らも白髪が増え、時間の流れを感じさせる演出となった。

 第2話までの放送を観ると、同ドラマの個性の一つに、時系列を表現するための過度なビジュアルの変化が挙げられる。女児誘拐殺人事件の被害者である少女の母は時間の経過とともに清潔感が薄れ、白髪の目立つ風貌に。さらに、第1話の回想シーンでは、学生服姿の三枝が登場しており、大山と広報誌の撮影をする桜井は現代と異なり、ロングヘアのポニーテール姿となっている。

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