加藤よしきの『シェイプ・オブ・ウォーター』評:悪役ストリックランドに漂う哀しみと狂気

加藤よしき『シェイプ・オブ・ウォーター』評

 ストリックランドは悪役の立ち位置にいる。許しがたい存在なのは確かだ。しかし、彼に憐みや哀しみ抱くのは間違っていない。ギレルモはそうした想いを否定しないし、この映画はそういうふうに作られている。なぜなら、きっとそれは幼いギレルモが「悪役」の半魚人に抱いた想いと同じものなのだから。『シェイプ・オブ・ウォーター』は、今を生きる全ての人に捧げられた、哀しくも優しいおとぎ話である。

■加藤よしき
ライター。1986年生まれ。暴力的な映画が主な守備範囲です。
『別冊映画秘宝 90年代狂い咲きVシネマ地獄』に記事を数本書いています。

■公開情報
『シェイプ・オブ・ウォーター』
全国公開中
監督・脚本・製作・原案:ギレルモ・デル・トロ
出演: サリー・ホーキンス、オクタヴィア・スペンサー、、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス
配給:20世紀フォックス映画
(c)2017 Twentieth Century Fox
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/

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