松重豊、“なごみの演技”で欠かせない俳優に 『アンナチュラル』所長役の愛らしさ

松重豊、“なごみの演技”で欠かせない俳優に

『バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜』より(c)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会

 松重は、3月7日に最終回を迎えた『バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜』にも出演し、主演ドラマ『孤独のグルメ Season7』(ともにテレビ東京系)も4月からスタートする。彼の演じる役を見ていて思い浮かぶのは「しみじみ」という言葉だ。どのキャラクターも、浮き足立ったところはなく、権力争いや出世争いにも興味がなさそうだ。『バイプレイヤーズ』は、本人を演じている部分もあるだろうが、そこでも、一番の年下で、ほかのメンバーたちから、家事などを押し付けられても、ぼやきながらもやってしまう。わかりやすいムードメーカーではないけれど、陰ながら場の空気を変える役割が非常にうまい。やっぱりこんな人が職場にいればと思ってしまうのだ。

『孤独のグルメ Season7』より(c)テレビ東京

 松重はバイプレイヤーでありながら、主演も果たすし、2017年タレントCM起用社数ランキングでも、8社で5位にランクインしていた。以前であれば、活躍する50代というのは、圧倒的なリーダーシップで部下を統率するような役を演じる大御所俳優であったように思う。しかし、現在は、そんなエネルギッシュな人よりも、自道にコツコツと、そして周囲の人とともに歩んでいるような人が求められているのだろう。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
金曜ドラマ『アンナチュラル』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜放送
出演:石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、池田鉄洋、竜星涼、小笠原海(超特急)、飯尾和樹(ずん)、北村有起哉、大倉孝二、薬師丸ひろ子(特別出演)、松重豊ほか
脚本:野木亜紀子
プロデューサー:新井順子(ドリマックス・テレビジョン)、植田博樹
演出:塚原あゆ子(ドリマックス・テレビジョン)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/unnatural2018/

『孤独のグルメ Season7』
テレビ東京系にて、4月6日(金)より毎週金曜深夜0:12〜0:52放送
主演:松重豊
出演:久住昌之(ふらっと久住)ほか
原作:『孤独のグルメ』 作・久住昌之、画・谷口ジロー(『週刊SPA!』)
放送局:TX・TVA・TSC・TVh・TVQ(異時間:TVO)
(c)テレビ東京
公式サイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/kodokunogurume/

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