役所広司、山崎賢人、竹内涼真……それぞれの覚悟と戦法 『陸王』第7話でさらに熱い展開に

「こはぜ屋」を去る者と残る者

 茂木(竹内涼真)が公式の復帰戦となるニューイヤー駅伝で快走を見せ、ライバルである毛塚(佐野岳)との激闘に勝利。陰で画策するアトランティス社に対して、宮沢(役所広司)が堂々と勝負開始を宣言する姿に勇気をもらった日曜劇場『陸王』(TBS系)。12月3日放送の第7話では、「陸王」のアッパー素材探しに大地(山崎賢人)が奔走。しかし追い打ちをかけるようにシルクレイ製造機が故障し、社長である宮沢が今後の「こはぜ屋」の方針について、大きな決断を迫られるまでが描かれた。

 アトランティスの汚いやり方にうなだれる「こはぜ屋」一同に、「あれは立派な戦略だ。俺たちは負けた。また勝ちゃあいい」と渋く語る飯山(寺尾聰)。大地も「このまま、やられっぱなしじゃいられない」と、アッパー素材を提供してくれる企業候補のリストを手に、熱意を見せる。ところが追い打ちをかけるように、シルクレイ製造機が煙を上げる。飯山は「こいつはもうただの鉄クズだ。シルクレイは作れねえ」と肩を落とす。この機械をいちから作るとなると、1億円もの費用がかかるらしい。

 さすがのこれには融資の目処が立たず、埼玉中央銀行の大橋(馬場徹)も「リスクが高すぎる」と、誠実な態度で首を横に振る。社長としての決断を迫られる宮沢に、村野(市川右團次)は「選手たちは命がけで走ってる。あなたには覚悟があるか」と問い、宮沢は「現実的には厳しいかもしれない」と答える。そして村野は「そんな覚悟で選手に近づくのは、陸上競技者への冒涜だ」と言い残し去って行く。大地とも衝突し苛立ちが募る宮沢は、ある夜帰宅すると、酔っ払って帰ってきてそのまま寝入ってしまった大地の姿を見る。娘の茜(上白石萌音)いわく、ここ最近アッパー素材探しに走り回っていたようだ。熱いものがこみ上げる宮沢は「悔いの残らない諦め方をしたい。もう少しだけ悪あがきさせてくれ」と、みんなに頭を下げる。これには飯山も、世界的なアウトドアメーカーであるフェリックス社から個人的に持ち掛けられた、“年間6千万円でのシルクレイ独占使用契約”を、微かに笑みを浮かべながら、断ったのだった。

 時おなじくして、ニューイヤー駅伝で快走を見せた茂木の元へ「月刊アスリート」からインタビューの依頼がくる。これに茂木は「(ニューイヤー駅伝での走りは)リベンジと言うよりはリセットですね。それを陸王が可能にしてくれた」と、「陸王」の宣伝も含めて挑むが、出来上がった誌面では、彼の想いはねじ曲げられていた。「納得がいかない」と声を上げる茂木だが、監督・城戸(音尾琢真)は「お前が納得できる状態を作れるのは、お前しかいない。だから走れ」と愛のムチを打つ。そして、茂木の所属するダイワ食品と、毛塚の所属するアジア工業がバチバチに火花を散らし、かち合う一幕があった。茂木の「次は逃げられないぞ」のひと言に、胸が熱くなる。

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