『氷菓』インタビュー
岡山天音が語る親友・山崎賢人との映画づくり 「『氷菓』での関係性は実際とは逆」
山崎賢人と広瀬アリス主演映画『氷菓』が本日11月3日より公開される。本作は、累計220万部を突破した米澤穂信による小説「<古典部>シリーズ」を実写化した青春学園ミステリー。リアルサウンド映画部では、山崎演じる奉太郎の旧友、福部里志を演じた岡山天音にインタビューを行い、共演した山崎との関係性や芝居に対する想いなどについて語ってもらった。(編集部)【※インタビュー最後にチェキプレゼントあり】
■「見たことがないものを見ている感覚」
ーー本作は大人気のミステリー小説を原作としています。ミステリー小説はお好きですか?
岡山天音(以下、岡山):もともと、あまりミステリー小説を読むことはなかったのですが、今回出演することが決まって、『氷菓』の原作を読んだところ一気にファンになりました。未だにシリーズが続いていて、出ている巻は全部読んだんですけど、どれも面白くて大好きです。謎解きが多くて、それを自分で推理しながら読むのもミステリーの醍醐味のひとつだと思うのですが、自力ではまったく解けませんでした(笑)。小説に限らず、ドラマや映画でも推理ものは何度も見てきているのに、解けたためしがない。里志と一緒ですね(笑)。
ーー『氷菓』はどんなところが一番面白かったですか?
岡山:見たことがないものを見ている感覚でした。原作を読んで学園ミステリーっていうジャンル分けはできましたが、主人公・奉太郎のキャラクター性だったり、古典部4人が立ち向かっていく出来事はどれも新鮮で、そこにすごく惹かれました。今までミステリー作品をあまりやったことがなかく、自分に当てはめることができるケースがなさすぎて、最初は正直、台本を読んだだけではどういう映画になるのか、どういう映画にすればいいのか想像できない部分もありました。でも、そういった未知の部分は、監督やキャストのみなさんと相談することで作り上げていくことができました。
■「実際の僕と賢人の関係性は映画とは逆」
ーー省エネ主義キャラの奉太郎に、岡山さん演じる里志は毎度ツッコミを入れています。奉太郎を演じる山崎賢人さんとの実際の関係性は?
岡山:これを言ったら怒られそうですけど、実際の僕と賢人の関係性は映画とは逆だなと思っていて(笑)。ちょっと不思議な感じでした。普段の2人の関係性だと、僕は受け取る側の方が多いのに、発信する側にならないといけないという。いつもの自分から、ひとつ乗り越えないといけない部分がありましたね。
ーー里志の性格は、自身とは真逆ということですか?
岡山:そうですね。とても好きな人物像だったので大事に演じたいなと考えていましたが、安里監督とはよく里志のキャラクターの難しさについて相談していました。原作では常に笑顔っていうトレードマーク的なものが決まっていて、そのキャラクターを実際の人間がやるとなった時に、どうやってその笑顔を保ちつつ、ちゃんと生身の人間として生きて、喜怒哀楽を表現するか。どのくらい笑うかとか、どういう風に笑うかとか、匙加減は結構意識して演じていました。
ーー山崎さんとはプライベートでも非常に仲が良いそうですね。
岡山:この作品へ出演が決まったことも、賢人から聞きました。「一緒にやるっていうの聞いた?」って言われて、「えー本当に」って。めちゃめちゃ嬉しかったです。電話を切った後、テンション上がっておっきい声出しちゃいましたね(笑)。
ーー実際にロケ中の2人はどんな様子だったんですか?
岡山:賢人は僕にとってすごく特別な存在で、同業者よりも友達っていうのが前提としてある感覚なんです。“友達と芝居をやってる”みたいな、すごく不思議な感覚。撮影前にリハーサルをやったんですけど、お互い恥ずかしくてちょっと吹いちゃったり。泊まりでの撮影だったので、夜はどっちかの部屋に集まって相談したりしました。気兼ねなく相談し合える関係性っていうのはなかなかないので、普通に現場で対面する相手でそういうのは特別でしたね。本当に大事な友達なので、一緒に作品を作る時間を過ごせたことは、恵まれているなと思いまいした。
ーーおたがいに成長を感じたりもしましたか?
岡山:作品の中で直接絡んでないものも入れたら、共演は4本目くらいなんです。プライベートも知ってるので、人間的な部分ですごく成長したなって思うんですけど、賢人のすごいところは変わらないところなんですよね。僕たちが知り合った16歳くらいの頃とは、周りの見る目とかあらゆることがどんどん変わっていったと思うんですけど、賢人のふるまい方はまったく変わらない。ロケ中に賢人がいると人が集まってくるんですけれど、そういう時と人が見ていない時と佇まいが変わらないので、スタッフさんが「全然カッコつけないよね」って驚いてました。本人は無自覚でそのままいるだけだと思うんですけど、俺だったら絶対カッコつけちゃうので、すごいなと思うし、好きな部分です。