宮崎あおい、蒼井優、二階堂ふみ……「サブカル女優」の分類と、その変化を辿る

 もうひとつは、可愛く美しい一方で、角度や仕草・表情などによって「あれ? そうでもないかも?」と思わせる瞬間もあること。それは、微妙な揺らぎや想像力を掻き立てる余地があるということだろう。出没するのは主に深夜の時間帯や小規模映画。時間が浅くなったり、規模が大きくなったりするごとに、サブカル臭が薄くなり、激太りや劣化、老化によってもサブカル感は遠のく気がする。

 ちなみに、いま個人的に注目しているのは、岸井ゆきの。本人の素養としても出没場所や時間、認知度的にもちょうど良い塩梅のサブカル女優だと思う。『レンタルの恋』(TBS系)では太賀の幼なじみ役を、『下北沢ダイハード』(テレビ東京系)第9h梨では劇場霊を演じていた。アイドルグループ「BiSH」のアイナ・ジ・エンドと、セントチヒロ・チッチを掛け合わせたような容姿も、ちょうど良いサブカル感がある。

 長年キープし続ける人、脱皮する人、王道から転身・新たな魅力として身につける人など、様々なサブカル女優。そのあり方と、変化を、今後も見守っていきたい。

■田幸和歌子
出版社、広告制作会社を経てフリーランスのライターに。主な著書に『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。

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