『ジョジョ』小松菜奈が語る、“原作もの映画”への取り組み方「どれだけオリジナルにできるかが肝」

映画『ジョジョ』小松菜奈インタビュー

「また関われる機会があれば、海外のお仕事もぜひやってみたい」

――今回のようなアクション映画から恋愛映画まで、小松さんは様々な役柄を演じられていますが、作品ごとに新たな表情を見せているように感じます。演技において、作品ごとにアプローチを変えるのでしょうか? それとも自分の中にパターンとして何か決まりがあるのでしょうか?

小松:どうですかね……ちょろちょろと出ているとは思います(笑)。というよりも、いろいろな役をやらせてもらう中で、やっぱり周りの共演者の方々が引っ張ってくれる部分もありますし、自分の中でこうしようというのは特にないですかね。可愛らしい女の子の役だったら、そういうタイプの女の子のモテ仕草を研究したり、行動をじっくりと見たりしてキャラ作りをしていくことはありますけど、どちらかというと、その場その場での感覚というか、自分がこうなんだろうなと思ったことを頭の中に入れてやっている感じなので、あまりその辺りは意識せずにやっているかもしれません。

――小説やマンガなど原作があるものとないものとでは、また異なってきそうですね。

小松:そうですね。それは全然違うと思います。マンガ原作だとビジュアルがあるので、それに寄せてしまう自分がいる気はします。でも、全部を気にしてしまうと面白くないじゃないですか。そこで自分のお芝居というか、自分が演じることで出せる味がキャラクターにも生きてくると思います。なので、原作があるものとないものとでは、結果的には変わってきますけど、原作があるとかないとかは、あまり気にしないようにはしています。その作品の世界観やキャラクターの魅力は残しつつも、どれだけオリジナルにできるかが肝だと思います。

――人気マンガの実写映画化となると原作ファンからは厳しい意見も出ることもありますが、その辺りは意識しましたか?

小松:今はすごい実写化ブームですよね。原作ファンの方は自分が本当に好きなものに対して愛がある。だから実写化されるのは嫌だと思う人がいるのは当然だと思います。でも、原作は原作だし、マンガはマンガだし、実写化は実写化なので、別物と思って観てもらえれば楽しめると思うんです。ひとりの人間がこうしてマンガのキャラクターを演じると、キャラクターに血が入った感じがして、それはそれで良さや味が出たりしますし、逆に原作を知らない方が映画を観て「『ジョジョ』って面白いじゃん!」と、原作も好きになる逆のパターンもあるはずです。マンガの方が面白かったと思う人もいれば、映画の方が面白かったと思ってくれる人もいると思うんです。特に女性や若い方にとっては映画の方が入り口として入りやすいと思うので、今回の作品が『ジョジョ』を知るいいきっかけになればいいなと思います。

ーー今回の作品はスペイン・シッチェスでロケが行われ、ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭やファンタジア国際映画祭など海外映画祭へも選出されました。マーティン・スコセッシ監督の『沈黙ーサイレンスー』でハリウッドデビューもされた小松さんですが、以前と比べて海外を意識するようになったのではないでしょうか。

小松:海外の作品は日本の作品と現場の雰囲気も全く違いますし、また違う楽しさがあるので、本当に“別物”という感じがしました。当たり前ですけど、『沈黙』の現場では英語が飛び交っていて、なんだか不思議な気持ちになりましたね。それがすごく新鮮で面白かったんです。演出においても、向こうは感情をあらわにするような豊かな演技が求められるような気がしますが、日本の場合は繊細さが大事。どちらにも良さがあるので、その両方のパターンを経験できたのは自分にとってもすごくよかったなと思っています。また関われる機会があれば、海外のお仕事もぜひやってみたいですし、日本の映画も大好きなので、いろいろな監督や役者の方々とこれからもお仕事ができたらいいなと思っています。吸収力や感じ方も全然違ってくると思うので、とにかく若いパワーを大事に、若いうちにもっといろいろなことを経験しておきたいなと思っています。

※山崎賢人の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記

(取材・文・写真=宮川翔)

■公開情報
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』
8月4日(金)全国拡大ロードショー
原作:荒木飛呂彦(集英社ジャンプ コミックス刊)
監督:三池崇史
出演:山崎賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑、観月ありさ、國村隼、山田孝之、伊勢谷友介
配給:東宝/ワーナー・ブラザース映画
(c)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会(c)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
公式サイト:jojo-movie.jp

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