『ジョジョ』小松菜奈が語る、“原作もの映画”への取り組み方「どれだけオリジナルにできるかが肝」

映画『ジョジョ』小松菜奈インタビュー

 シリーズ累計発行部数1億部を超える荒木飛呂彦原作の人気コミックを、『無限の住人』の三池崇史監督が実写映画化した『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が、8月4日に公開される。“スタンド”と呼ばれる特殊能力を持つ高校生・東方仗助が、平和な町“杜王町”で発生した連続変死事件に立ち向かう模様を描いた本作。リアルサウンド映画部では、山崎賢人演じる主人公・仗助の同級生で、神木隆之介演じる転校生・康一の世話係に強い使命感を抱く、奇妙な雰囲気を持つ美少女・山岸由花子を演じた小松菜奈にインタビュー。大人気コミックの実写化作品に出演することへの思いや、共演者や監督の印象、そして独自の演技論などについてもじっくりと語ってもらった。(編集部)

「私にとってはプレッシャーでしかなかった」

――大人気コミックが実写映画化されるということで公開前から大きな話題になっていました。原作コミックは読んでいましたか?

小松菜奈(以下、小松):もちろん存在自体は知っていたのでビジュアルにも馴染みがあったのですが、普段ほとんどマンガを読まないので、原作も読んだことはありませんでした。ただ、周りの友達にも熱狂的なファンがたくさんいて、いろいろな人から「今度『ジョジョ』やるんでしょ!?」と言われたり、連絡がきたりしたんです。他の現場のスタッフさんからも「やりたかった」とか「撮影を見に行きたかった」という声をたくさんいただいたので、そんなにすごいことなんだなと実感しました。日本だけでなく世界中で人気な原作ですし、楽しみにしている人がものすごくたくさんいたので、私にとってはプレッシャーでしかなかったです。「ちゃんと山岸由花子を演じられるのかな……」と思っていました。でも、由花子役として私の名前を挙げていただいたのは本当に嬉しいことでしたし、一緒にお仕事をしたいと思っていた三池(崇史)監督をはじめ、キャストの方々の名前を見て、絶対に楽しくなる作品だと思っていました。

――そんなプレッシャーの中でどのようにして山岸由花子の役に挑んだのでしょうか? 昨年9月に行われた製作発表会見では「ワカメをいっぱい食べて髪の毛を伸ばしている」と発言されていましたが(笑)。

小松:そうでしたね(笑)。でも結局もう少し長さがほしいということになって足しました。あまりにも長すぎるとバランスが合わなくなってしまうけど、長い方が気持ち悪さや不気味な感じが出るということで、ヘアメイクさんと相談しながら髪型を作っていきました。あと、血の気のない感じを出したくて、肌もいつもよりちょっと白くしました。

ーー内面的な部分はどうでしたか?

小松:どう演じれば魅力的になるか、みんなが気になる存在になるかというような、私自身が由花子としてどういう風に生きられるかをいろいろ考えながら探っていきました。やっぱり由花子には妙な空気感があるんですよね。康一(神木隆之介)に気持ちを伝える時も、普通に伝えるのではなく、「なんかこの子、変」みたいなところがあったらいいなと思ったので、視線をそらさずに康一のことをずっと見続けたり、話す時にはすごく近くで話したり、由花子だったらこうするなという自分自身で研究したことを意識するようにしました。だから由花子の衣装を着て髪をセットすれば、自然と由花子になった気持ちになれたんです。探り探りではありましたが、髪の毛を触る仕草も含めて、服装や髪形に助けられた部分はすごく大きかったですね。

――共演シーンが多い神木さんとは『バクマン。』(2015年10月公開)以来の共演ですね。

小松:とは言っても『バクマン。』では神木さんとの共演シーンがほとんどなかったんです。だから『バクマン。』の時に神木さんと話した記憶があまりなくて(笑)。

ーー確かに佐藤健さんとのシーンがほとんどでしたね。

小松:今回改めて思ったのは、神木さんは普段すごく元気で明るくて無邪気な方なのですが、お芝居に入ると、ものすごく繊細な演技をされるんです。自然とキャラクターに溶け込めるのは本当にすごいなと思いますし、いろいろな役を器用にこなされている。私にとっても尊敬する役者さんのひとりです。自分とは全然違う生き物だなという感じです(笑)。

ーー自分のような人間からしたら、神木さんも小松さんも同じ生き物だと思いますが(笑)。錚々たる顔ぶれの中で主演を務めた山崎賢人さんとの共演はいかがでしたか?

小松:山崎さんとは同じ事務所なのですが、共演は今回が初めてでした。山崎さんも神木さんと同じく、普段は明るくて自由な感じの方です。山崎さんが演じた東方仗助は、とても派手な髪型と服装で、普通だったら違和感を覚えると思うんです。なのに、それをまったく感じさせない。演じる役を自分のものにしているんですよね。これだけの人気キャラクターの役で主演を務めるということで、もちろんプレッシャーもあったとは思うのですが、本当にハマっているなと思いました。これまでは恋愛映画をたくさんやられていたイメージでしたが、今回はまた違う、絶妙な表情だったり感情だったりが、とても素敵に映っています。同世代としてはとても刺激になりました。

ーー山崎さんと初共演というのもそうですが、三池監督の作品に出るのも今回が初めてというのは少し意外でした。

小松:三池監督は「来た仕事を断らない」と聞いていたので、まずその精神がすごいなと思っていたんです。しかもちゃんと三池監督ワールドが繰り広げられていくので、すごくカッコいい監督だなと。CGを使った大きな作品もたくさんやられてきているので、三池さん自身がすごく派手な人なのかなと思っていたのですが、実際はあまり喋らない、優しい方でした。

ーーそれは演出においても?

小松:そうですね。現場も段取りよく進んでいって、「あれ、もう終わったの?」という感じで。演出に関しても、特にこうしてほしいとか、こう動いてほしいとか指示されるわけではなく、「自由にやっていいよ」という感じで、私たち役者に任せてくれました。もちろん気になるところがあったらきちんと言ってくださるので、とても信頼できる存在でした。

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