山下智久の“正体”が明らかに 『ボク、運命の人です。』セミファイナルで描かれた親子の絆
先週の放送の最後で、“ついに神様の正体が明らかになる”と告知された途端に、ツイッター上では様々な憶測が飛び交った。その中で、最も多かったのは誠(亀梨和也)と自称“神様”(山下智久)は親子なのではないかという説である。10日に放送された『ボク、運命の人です。』第9話。タイトルが出る前の序盤の段階で、さらりとその真相が明かされる。
大方の予想通り、30年後の未来から来た自称“神様”の正体は“正木一郎”というシンプルな名前で、誠と晴子(木村文乃)の間に生まれた息子だった。誠がグズグズしていたために生まれるのが遅れ、そのせいで地球が滅亡してしまうのであると。ここで一郎が差し出す免許証に書かれた生年月日が2018年の5月10日。11ヵ月後には子供が生まれるということになるが、これが誠のこれまでの努力によって変わった後なのか、というところが妙に気になってしまう。
何はともあれ、今回の大筋は、誠と晴子の初めての旅行である。晴子の父親の会社の保養所の温泉に誠と晴子の二人で行くことが、重要な最終試験だと告げた一郎は「お湯を抜いたらメッセージがある」とだけ誠に教えるのだ。案の定言われた通りにお湯を抜いた誠だが、何もメッセージがない。代わりに遊技場でもらったカップ焼きそばの底にメッセージが隠されていた。それに発破をかけられ、誠は自発的に行動に移すのだ(そこで頭の中に過る定岡(満島真之介)のイメージや、布団をそのまま近くに引っ張る場面は実にシュールであったが)。
これまでも毎話毎話、予想通りの展開を繰り広げた後に、本当のサプライズが待ち構えていたこのドラマ。最終回直前のセミファイナルで明かされた誠と一郎の関係性はサプライズではなく、しかも今回のミッションである「お湯を抜いたらメッセージがある」という言葉が本当のサプライズへの伏線となっていたわけだ。
無事に誠が温泉旅行から帰ってくると、一郎が家の風呂に入っている。最終試験をクリアしたから未来に帰るという一郎は、自分との記憶が消えることを告げて去っていく。そして、一郎がいなくなった後、誠が風呂の湯を抜いていると、風呂桶の底に一郎からのメッセージが残されているのだ。そこに込められた親子の絆。実際に親友である亀梨と山下の二人が演じてきた、親友のような親子のやり取りをフラッシュバックさせ、「永久あばよ」の言葉で占める。まさかの感動エピソードとなるとは、実に予想外な展開であった。
その裏で、晴子の実家・湖月家の家族のエピソードも描かれる。子供のころに父親のビールをお酌していたことを懐かしみ、「いつから注がなくなったのかな」と語っていた晴子が、久々に父親にビールを注いであげる。子供のころには「自分で注ぐより何倍も美味い」と言っていた父親が、今では「まあまあかな」と剽軽な返答をする場面にほっこりとした気分にさせられるのである。まさか今週が父の日かと思ってしまう展開だが、どうやら父の日は第三日曜日なので来週のようだ。