Hey! Say! JUMP伊野尾慧は“ウザ可愛い”の天才だ! 『ピーチガール』心揺さぶるメリハリの演技

伊野尾慧は“ウザ可愛い”の天才だ!

 5月20日に公開された、原作・上田美和の実写映画『ピーチガール』。Hey! Say! JUMP 伊野尾慧が初映画にして初主演を飾った作品である。「5分に1度、恋の事件が起きるラブストーリー」というキャッチコピーが付いているだけあり、女性の心をグッと掴む胸キュンラブコメとなっている。その評判は上々で、公式サイトによると「実写邦画 週末興行収入ランキング第1位」、「ぴあ映画初日満足度第1位」、「10代満足度95%」と評判が形になって表れているようだ。そこで今回は、『ピーチガール』が好評を得ている理由を考えてみたい。

 ひとつめの理由として挙げられるのは、今までの実写映画にはない新しい工夫がなされている点だ。映画『ピーチガール』はオリジナルと原作の物語がバランスよく混ざり、完成度の高いストーリーに仕上がっている。原作と違う部分はあるものの、ひとつのストーリーとしてスムーズに受け入れられるし、きちんと感情移入することができる。

 しかし一方で、「女子が好きな胸キュンシーン集」という見方もできるのではないだろうか。『ピーチガール』は場面の切り替わりが多い。それが「5分に1度、恋の事件が起きるラブストーリー」というキャッチコピーが付いている所以だろう。その一場面が短編の胸キュンシーンとなっており、それらが集まることで結果的にひとつのストーリーとして完成しているのである。こういった演出をするとバラバラ感が否めなくなってしまう可能性があるが、『ピーチガール』では上手くつながっており、物語にテンポが生まれて飽きることなく見ることができるのだ。

 そしてふたつめは、Hey! Say! JUMP 伊野尾の演技である。前半のドタバタラブコメ部分に関して伊野尾の演技を言い表すと、“ウザ可愛い”ではないだろうか。普段のらりくらりしている伊野尾からは想像できないくらい振り切った演技と、持ち前の可愛らしい容姿が合わさり、ウザ可愛いの天才と言っても良いほどの完成度なのだ。

 たとえば、主人公・安達もも(山本美月)を後ろから抱きしめ、振りほどこうとするももに向かって「おとなしくしろー!」というシーンは悶絶物である。伊野尾ファンならずとも、可愛い系男子が好きな女性は一見の価値ありだ。と思いきや、後半パートでは泣かせる演技を見せてくる。美しい顔を歪めて感情を開放している様子は、思わず引き込まれてしまう。観客の心を揺さぶってくるメリハリの付け方は見事であった。

 2016年に出演したテレビドラマ『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系)では、日下瑛治という物語のキーパーソンを演じた伊野尾。どこか影を持ったミステリアスな演技が注目されていたが、『ピーチガール』の岡安浬役では全くイメージが違う姿を見せてくれている。岡安浬を演じたことは、「ミステリアスだけでなく可愛い演技もできる」という認識を広めたと同時に、伊野尾にとっても役の幅を広げるきっかけになったのではないだろうか。

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