吉永小百合と堺雅人が親子役に 滝田洋二郎監督『北の桜守』2018年春公開へ
吉永小百合と堺雅人が親子役で共演する、滝田洋二郎監督最新作『北の桜守』の製作が発表された。
本作は、同じく吉永が主演を務め北海道が舞台の、行定勲監督作『北の零年』(05年)、阪本順治監督作『北のカナリアたち』(12年)に続く、“北の三部作”最終章。戦中・戦後の北の大地を懸命に生きた母・江蓮てつと息子・修二郎の親子の30年の姿を描き出す。
本作が120本目の映画出演作となる吉永が演じるのは、樺太で家族と暮らしていたが、ソ連の侵攻により土地を追われ北海道・網走へと辿り着き、貧しい生活の中で息子の修二郎を命がけで守り抜きながら、修二郎を育てた後もひとり夫を待ち続けながら網走でひっそりと暮らす、江蓮てつ。吉永とは実写映画で初共演となる堺は、ビジネスで成功し15年ぶりに網走を訪れ、ひとり慎ましい生活を送る年老いた母の姿を見て、札幌で一緒に暮らす決意を固める息子の修二郎役を演じる。
『おくりびと』(08年)で第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎が監督を務め、『北の零年』『北のカナリアたち』の那須真知子が脚本を手がける。撮影は2月16日にクランクインし、冬の網走市でのロケ、春の都内近郊でのロケとセット撮影、春から夏にかけての稚内市を中心とした北海道縦断ロケなどを行い、北海道が命名されて150年となる2018年春の公開を予定している。
吉永、堺、滝田監督からはコメントが寄せられている。
吉永小百合 コメント
【撮影への意気込み】
夢のようです。「北の三部作」シリーズのフィナーレを北海道で撮影できるなんて。
しっかり力を出し切り、魅力的な作品をつくりたいです。
【撮影に臨む気持ちは?】
冬はかなり厳しいロケになるでしょう。
踏み堪えて、強い母を演じ、春を待ちます。
【実写では初共演となる堺雅人とどのような“母と子”を演じたいか】
今回、堺さんとは究極の親子になりますが、頼もしい息子に、思いっ切りぶつかって行きたいですね!
【初めてタッグを組む滝田洋二郎監督の印象は?】
去年の2月、滝田監督とオホーツク海の流氷を見に行き、作品づくりが始まりました。
翌日私は、雪の坂道で滑って転んで骨折……。監督は、落ち込む私を明るく励まして下さいました。
秋のサハリンへの旅も御一緒して、思いを共有し、いよいよ撮影開始です。
堺雅人 コメント
【実写では初共演となる吉永小百合とどのような“母と子”を演じたいか】
前回ご一緒したブッダでは慈母そのものといったお役だったのですが、今回はより生々しく、より悲しい母子関係になるのではないかと楽しみにしてます。
【『壬生義士伝』(03年)以来、2度目となる滝田洋二郎監督との仕事に対する気持ち】
『壬生義士伝』では好きなようにのびのびと演じさせていただきました。今回は少しでも成長した姿をみせれるようにがんばりたいです。
【本作への意気込み】
すばらしい皆様とのお仕事に身が引き締まる思いです。
滝田洋二郎監督 コメント
【本作のメガホンを取る意気込み】
映画人として、吉永小百合さんとご一緒できるという特別な喜びと緊張と期待に満ちて、準備を進めています。119作もの映画を背負ってこられた吉永さんのオーラとしっかりと向き合い、丁寧で大胆・生き生きと直感あふれる現場で、想像を超える素敵な瞬間に立ち会えることを楽しみに、自分らしく、吉永さん120作目に臨みたいと思っております。
【吉永小百合と堺雅人とどのような“母と子”の物語を創り上げていきたいか】
美しい桜・戦争・引き揚げ・流氷・家族・思い出・あの人・・・・・。
戦後の向かい風の人生を懸命に生き抜き老いてゆく母と、その背中を見ながら成功を手に入れた息子が、かつて、母子で封印した禁断の扉を開く 最後の旅立ちを、吉永さん堺さんでなければならない感動の物語として、現代にも強い共感を覚えてもらえる作品にしたい。
■公開情報
『北の桜守』
2018年春全国ロードショー
監督:滝田洋二郎
脚本:那須真知子
出演:吉永小百合、堺雅人