スパガ・浅川梨奈が語る、二次元キャラ演じる難しさ 「変にアレンジして裏切ってはいけない」

浅川梨奈が語る、漫画実写化の難しさ

 女子高生麻雀をテーマにした人気コミック『咲-Saki-』が、昨年12月に「咲-Saki- 実写化プロジェクト」として連続ドラマ化された。本作は、麻雀人口が急増した世界を舞台に、高校生麻雀部メンバーたちが全国大会に向けて奮闘しながら、仲間やライバル校の生徒と友情を育んでいく青春模様を描いた作品。主演の浜辺美波をはじめ、廣田あいか(私立恵比寿中学)、武田玲奈、永尾まりや、あの(ゆるめるモ!)といったアイドルや若手女優が集結したキャストや、原作を忠実に再現したキャラクターデザインが、ドラマ放送時に話題を集めた。

 そして、2月3日からは映画『咲-Saki-』が公開される。ドラマの続きが描かれる映画版では、全国高校麻雀大会・長野県予選の決勝まで勝ち進んだ清澄高校、龍門渕高校、風越女子高校、鶴賀学園の4校が優勝をかけて戦う模様が描かれていく。

 この度、リアルサウンド映画部では、天才雀士・のどっちこと原村和(はらむらのどか)を演じた浅川梨奈にインタビュー。漫画の実写化に対する印象や役作りの難しさをはじめ、SUPER☆GiRLSでの活動やグラビアに挑戦した理由について語ってもらった。

「二次元の実写化には抵抗感があった」

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ーー二次元のキャラクターを演じることに不安はありましたか?

浅川梨奈(以下、浅川):私もアニメや漫画が大好きなので、二次元を実写化することには少なからず抵抗感を覚えるタイプでした。でも、正直なところ、できることなら挑戦してみたいなとも思っていたので、お話をいただいたときは素直に嬉しかったです。ただ、私で本当にいいのかなっていう不安もありました。

ーー漫画やアニメの実写化に対して、抵抗感を示す人は多いですよね。

浅川:そうですね。私もどちらかというとそっちの部類で……。出ることへの戸惑い、役をいただいたことへの喜び、原作が好きだからこそのありがたみなどなど、いろんな感情が渦巻いてました。実写化決定やビジュアルが発表された時は、予想通りのリアクションが起きていましたが、作品を観てもらえれば絶対に納得してもらえると思っていたし、逆に頑張ろうという気持ちも湧いてきましたね。

ーー原作を忠実に再現することが求められる作品だと思います。浅川さんの中ではどんな心掛けがありましたか?

浅川:ファンの中には、理想の「和像」がすでに出来上がっている状態なので、変にアレンジして裏切ってはいけないなと思いました。ビジュアル面だと、和ちゃんはスタイルがとても良い女の子なので、あえて制服はぴったりとした小さめのサイズを着てみたり、“はいてない”よう見えるように、どれだけスカートを短くしていくのかを監督と相談しながら決めていきました。内面で言うと、鞄やエトペンの持ち方や座り方には、和ちゃんの性格や育ちの良さが表れていると感じたので、特に気をつけて演じました。あと、通常時は感情を表に出さないキャラなので、感情の起伏を抑えて声のトーンや表情の演技を調整して、逆に麻雀の時はものすごく熱いキャラなので、そこのギャップも意識しました。

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ーー麻雀の打ち方を身につけるのも苦労したのでは?

浅川:麻雀を打ち慣れていない、と感じさせたら負けだと思いました。そういう細かいところに違和感を覚えると、作品を見ている方も冷めてしまうと思ったので。和になるためには、まずは麻雀を愛さなければいけなかったので、ひたすら麻雀を練習して、仕事の合間もネット麻雀をプレイしながら感覚を身につけていきました。役作りのために始めたのですが、どんどんはまってしまい、マネージャーに雀荘へ連れて行って欲しいとお願いしたことも……(笑)。17歳なので当然無理だったのですが。けど、その練習の甲斐もあって、監督から「“麻雀は”一番うまかった」と褒めていただきました。演技に関しては、まだまだ初心者で観ていられない部分もあるかもしれませんが、麻雀は代役なしで打っているので、注目してもらいたいですね。

ーー初めての挑戦がたくさんあったと思います。なにかに新しく挑戦することは好きですか?

浅川:新しい挑戦は好きです! 好奇心旺盛な性格をしているので。ただ、アイドルもグラビアも演技も、いつの間にか始まっていることが多いです。いただいたお仕事に全力で取り組んでいたら、いつの間に今の状況にたどり着いていました。基本は受けのスタンスなので、いい意味でも悪い意味でも貪欲さがないんだと思います。今だに目立ちたくないなって思うこともあります。そのくせ自分に嘘をつきたくない気持ちも強くて、ついついファンの人にも暴言を吐いちゃうんですよね。ファンの心をズバズバ折っていくので、グループ内でもどんどん“いろものキャラ”のポジションを確立していってます(笑)。

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ーーいろものキャラ(笑)。のどっちとは、性格が正反対ですね。

浅川:天と地ぐらい違うと思います。歩き方や座り方ひとつとっても正反対で……。簡単に見える立ち座りの演技が一番苦戦したかもしれません。監督から歩き方が違うと指摘された時は、どんな風に演じたらいいのか本当に悩みました。

ーーのどっちは、麻雀をする時にスイッチが切り替わりますが、浅川さんもそういう一面はありますか?

浅川:私もいろんなスイッチを持っていると思います。たとえば、今は取材のスイッチが入っているので、こんな風にたくさんお話をすることができるのですが、ひとりでいる時はアイドルオーラはまったくないです。ライブの時も、握手会の時も、周りの環境にあわせてスイッチが切り替わるんですけど、オンとオフの切り替えが早過ぎて、現場で注意されることもあります(笑)。

ーーなるほど。浅川さんはグラビアアイドルとしても活躍してますよね。『咲-Saki-』のドラマ版では入浴シーンがあったり、映画『14の夜』でも色気のある芝居を行っていました。そのような演技を求められることについては、どのように考えていますか?

浅川:お芝居については、まだまだだと感じている部分が多いので、求められたことに全力で応えられればと思っています。男の人はこれを見てテンションが上がるんだ、興味深いなって思うことはありますが、正直あまり深く考えたことはないですね。グラビアを含めたどんな仕事も、高橋みなみさんと一緒に仕事をするっていう目標を叶えるために頑張っています。

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ーーグラビアにも慣れたと思いますが、その経験が別の仕事に役に立つことはありますか? たとえば、演技のお仕事とか。

浅川:今でも「布をくれ」とは常に思ってますよ(笑)。演技の役に立っているかはまだわかりませんが、アイドル活動には活用できてます。最近まで自分の笑顔がとにかく嫌いだったんですよ。写真撮影の時に笑顔を作ると目が死んじゃって……。でも、グラビア撮影で表情の作り方を学んだおかげで、コンプレックスがひとつ克服できたと思います。演技については、これからどんどんアドバイスをいただきたいです! 形に捉われたり、ポーズを指定されることが苦手なので、グラビアでは自由にさせていただくことが多いのですが、今後は演技も自分から提案できるようになりたいです。

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