マルチ声優・宮野真守、日本語吹き替えに抜擢され続ける理由 アニメと吹き替えの違いを考察

宮野真守、吹替え声優としての魅力

 そうした背景から、吹き替えも兼業しているアニメ声優は、売れっ子の中でもごく少数となっている。アニメ声優として絶大な人気を誇る花澤香菜ですら、今回の『ミス・ペレグリン』が吹き替えデビュー作だ。そんな中、映画、ドラマ、アニメーションと、吹き替え声優としても幅広い活躍を見せる宮野が、いかに優れた演技力を持っているかということは、もはや一目瞭然だろう。宮野が誇る絶大な人気とは、アニメ声優という枠に留まらない、確かな実力の上に成り立っているのだ。

 宮野自身も、吹き替えの仕事について「出来上がっている作品に吹き替えをするわけですから、一から役作りをするというよりは、出来上がっている作品の世界観をしっかりとらえ、1話1話、いかに声として存在できるかが重要だと思っています」(参考:NHK 宮野真守『マスケティアーズ パリの四銃士』インタビュー)と語っている。

 キャラクターに一から魂を吹き込むアニメ現場とは一味違う宮野を、『ミス・ペレグリン』公開の折に、劇場で堪能してみてはいかがだろう。

■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。
Twitter:https://twitter.com/manyotaso

■公開情報
『ミス・ぺレグリンと奇妙なこどもたち』
2017年2月3日(金)全国ロードショー
監督:ティム・バートン  
出演:エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L・ジャクソン、エラ・パーネル、ジュディ・デンチ、テレンス・スタンプ
配給:20世紀フォックス映画
(c)2016 Twentieth Century Fox

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