欅坂46・渡邉理佐グループが高める、物語の緊張感ーー『徳山大五郎』佳境に向けて

『徳山大五郎』渡邉理佐グループの立ち位置は

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 一方で、じわじわと存在感を発揮し始める中立派グループは、残りのエピソードの大きな鍵となるようだ。クライマックスとなる文化祭を主導する役割を担っただけに、ここから一気に中立派グループの物語が始まるだろう。重要な謎のひとつであった、「徳山の携帯からLINEを送ってきたのは誰?」ということについて、第10話のラストで米谷奈々未に嫌疑が向けられる。それについては第11話で詳しく明らかになるのであるが、どうやら以前紹介したような、単なる調整役というわけではなかったようだ。(参考:欅坂46、長沢菜々香 & 米谷奈々未コンビの個性ーー『徳山大五郎』で見せたコメディリリーフの才能)。

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 また、お化け屋敷の造形を任され一人黙々と何かの絵を書き続ける美術担当の佐藤詩織。実際に美大生である彼女が、第4話で徳山と言い争っていた男(第6話で登場する)の似顔絵を書いて以来となるその腕前を披露。OGたちとともに卒業アルバムにはしゃいでいるメンバーを、無言の圧力で制するなど、ここに来てようやく目立ち始めたのは嬉しいところだ。

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 ところで、この場面で買い出しに出かけている渡邉と長濱以外の19人のうち、18人が教室にいることを確認できた。文化祭準備の総監督をしている長沢菜々香だけが映っていないように思えたが、彼女は教室にいなかったのか、それとも単純に映っていなかっただけなのか。インサートされる、副担任の神崎とのやり取りで、内通者と思しき生徒の足元だけで映っている。この脚の感じとスカートの丈を考えると長沢にも見えるが、第8話のラストで神崎と話している女子生徒は黒のソックスだったから佐藤の可能性も強い。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■番組情報
土曜ドラマ24『徳山大五郎を誰が殺したか?』
テレビ東京
毎週土曜よる0時20分〜
出演:欅坂46ほか
企画・原作:秋元康
(c)「徳山大五郎を誰が殺したか?」製作委員会
公式サイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/tokuyama/

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