欅坂46・平手友梨奈&長濱ねる、演技上達の鍵を握るのは嶋田久作? 『徳山大五郎』での成長を見る

平手&長濱、『徳山大五郎』に見る演技の上達

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 一方、長濱ねるも負けてはいない。初登場シーンのホラーっぽさを皮切りに、彼女持ち前の知的さを残す、ミステリアスな魅力を発揮し続ける。平手が御堂園にロッカーを見られそうになったタイミングで、彼女も瞬時に表情を変える技を見せるが、それだけではない。その後に教室に戻ってきた彼女が披露する一連の芝居は、平手を飲み込むほどの力強さを放つ。

 クラス中から疑いの目をかけられた平手を擁護するかのように、冷静に現状の分析を行う長濱。彼女自身、すでに第5話で犯人に疑われている立場でありながら、探偵芝居を行うというのは面白い。しかも、その言葉に妙に説得力がある。第6話での渡邉理佐とのやり取りのせいで険悪な雰囲気になっている石森虹花から「誰の味方なんだよ」と問われると、「味方って何? じゃあ誰だよ敵は」と、すっぱり切り捨てる良い台詞を吐くではないか。

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 これからドラマのクライマックスに向けて、謎の解明と同時に、平手と長濱の二人の演技合戦(個人的にはこれを“てちねる合戦”と呼びたい)も見ものとなってくるに違いない。また終盤では、これまであまり目立ってこなかった中立派のグループにも見せ場が訪れるようなので、それも楽しみだ。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■番組情報
土曜ドラマ24『徳山大五郎を誰が殺したか?』
テレビ東京
毎週土曜よる0時20分〜
出演:欅坂46ほか
企画・原作:秋元康
(c)「徳山大五郎を誰が殺したか?」製作委員会
公式サイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/tokuyama/

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