吉田羊、なぜ40代でブレイク? 同年代女優と異なるポジションから考える
女優・吉田羊の勢いが止まらない。1月21日には宝石類が似合う著名人を表彰する「日本ジュエリー ベストドレッサー賞」の40代部門に選ばれ、2月4日には「2016年エランドール賞」新人賞を受賞。数々のCMでも活躍するほか、NHK大河ドラマ『真田丸』や本日放送の『ナオミとカナコ』(フジテレビ)でも存在感を発揮し、今年公開の映画『嫌な女』では初の主演も決定している。
「ベストドレッサー賞」受賞の際は、これまで非公開だった年齢がある程度判明して話題となったが、彼女が40代にしてブレイクした背景にはどんな事情があるのか。ドラマ評論家の成馬零一氏に話を聞いた。
「現在活躍している40代の代表的な女優というと、深津絵里や永作博美、宮沢りえなどが挙げられますが、彼女たちは90年代からさまざまな作品に出演しており、視聴者の中でもすでにイメージが固まっています。彼女たちはどんな作品に出ても目立つため、主役級の役柄を演じるなら良いのですが、主役を引き立てるバイプレイヤーとはなりにくい側面もあります。一方で吉田は、舞台出身で非常に高い演技力がありながら、アイドル女優として昔から注目されてきたわけではないので、視聴者が固有のイメージを持っていない。だからこそ、『純と愛』や『HERO』といった作品では、おいしい名脇役のポジションを獲得できたのだと思います。この年代の実力派女優で、彼女のような立ち位置にいるひとは珍しいですね」
『HERO』などの作品で全国区の注目を集めた後のキャリアも、特筆すべき点があるという。