福山雅治、月9ドラマ『ラヴソング』はターニングポイント作に? 役者キャリアから探る

 福山雅治が4月から放送が開始される月9ドラマ『ラヴソング』に、44歳のプロミュージシャン役として主演することが発表された。テレビドラマ『ガリレオ』シリーズや映画『そして父になる』などの作品でも主演を務め、昨今は役者としても高い評価を受ける福山雅治は、なぜ今回、自身と重なるような役柄で3年ぶりにドラマ主演を果たすことになったのか。その背景をドラマ評論家の成馬零一氏に聞いた。

「これまで福山雅治は、ラジオなどで知られる親しみやすい気さくな人柄とは切り離したかたちで、“クールな二枚目”役を中心に演じてきました。『ひとつ屋根の下』など、90年代から数多くのヒット作にも出演していますが、福山さん自身のキャラクターを反映しているというよりも、物語を華やかにするような役柄だったと思います。世間での印象も“ミュージシャン兼役者”という感じで、スター性の強い役者という立ち位置だったといえるでしょう。『ガリレオ』シリーズの劇場版『容疑者Xの献身』でも、主演の福山やヒロインの柴咲コウは映画の表看板という印象で、実際に演技を評価されたのは共演の堤真一と松雪泰子の方だったと思います」

 しかし、2013年に公開された映画『そして父になる』では、これまでとは異なる演技を見せ、役者として新境地を切り開いた。

「『そして父になる』で演じた野々宮良多役は、仕事はできるがどこか人間味の薄い父親という設定で、当時の福山のキャリアと重なる部分が多い役柄でした。この作品で等身大の役を演じたことによって、彼は本当の意味で役者という職業に向き合ったのだと思います。本作を手がけた是枝裕和監督は、ドキュメンタリーの手法も取り入れて劇映画を撮影する監督なので、その現場が福山を変えたのでは。実際、同作での演技は非常に高い評価を受け、役者としても実力があるということが示されました」

 今回の『ラヴソング』での主演は、福山にとってもターニングポイントになるだろうと同氏は続ける。

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