小泉今日子と薬師丸ひろ子が共演 人気脚本家・木皿泉最新作『富士ファミリー』に期待すること
今作のテーマは、「家族」。富士山のふもとにある小さな街の、コンビニとは名ばかりの商店・富士ファミリーを舞台に、長女・鷹子(薬師丸ひろ子)、次女(故人)のナスミ(小泉今日子)、三女・月美(ミムラ)という美人三姉妹を中心に物語が繰り広げられる。
長女・鷹子は、早くに両親を亡くし、仕事をもちながら店の手伝いをして家計を切り盛りしている。長女とは正反対に、自由奔放な性格の次女・ナスミは20代で東京に出て行き結婚。その後、夫・日出男(吉岡秀隆)と共に実家に帰ってくるも、6年前に病気で亡くなってしまう。三女・月美は面倒な店の経営から逃れるために要領よく早くに嫁いだものの、すでに夫婦間には溝が出来始めている。そんな「富士ファミリー」には、長女・鷹子と、笑子バアさん(片桐はいり)、ナスミの夫・日出男が暮らしている。そこに、住み込みのアルバイトカスミ(中村ゆりか)がやってきた。
年の瀬せまったある日、突如、富士ファミリーは一家離散、閉店の危機に陥ってしまう。その時、笑子ばあさんの前に、ナスミの霊があらわれる。そして7つのバラバラの言葉が書かれた1枚のメモを託す。この言葉の謎を富士ファミリーの面々が追うことで大騒動が巻き起こるという展開だ。
ドラマ『富士ファミリー』について小泉は、「撮影時に、家族に匹敵するような関係性を、誰かと築いていけたら老後が楽しいと思った」という感想をもち、薬師丸は、「血縁関係でなくとも、お互いに認め合えるひとの優しさやあたたかさがこの作品にも流れている」と評した。
木皿はこの作品について「正月ドラマと聞いたとき、過去のものとなったホームドラマを今一度やってみたいと思った。家族がいない人でも家族のイメージがある。富士山のように家族もみんなの心のなかにある。他人同士でも家族になれる。偏見もない他人同士で家族をやる事のほうが、私にとっては書きやすかった」と語っている。
笑って、泣ける、現代の家族像描いた人気脚本家と、2人の実力派女優を中心に味のある役者陣が織りなすホームドラマは、2016年のお正月、私たちに大切なものを思い出させてくれそうだ。
■内藤裕子
ライター。2004年より雑誌の編集、WEB企画、商品企画をメインに、イベント企画、総務、人事、広報を経てクリエイターのマネージメントに携わる。現在看護師として働く傍ら、写真関連のUstreamの企画構成にも携わる。
◼︎ドラマ情報
新春スペシャルドラマ『富士ファミリー』
1月2日(土)21時〜NHK総合にて放送
作:木皿泉
演出:吉田照幸
出演:薬師丸ひろ子,小泉今日子,ミムラ,中村ゆりか,小倉一郎,マキタスポーツ,仲里依紗,片桐はいり,高橋克実,吉岡秀隆
公式サイト:http://www.nhk.or.jp/dsp/fujifamily/