『GONIN サーガ』舞台挨拶で根津甚八からメッセージ「自分の思いを次の世代が背負ってくれる」
1995年に公開されたバイオレンス・アクション映画『GONIN』の続編となる『GONIN サーガ』の初日舞台挨拶が、9月26日にTOHOシネマズ新宿にて行われ、石井隆監督のほか、キャストの東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、福島リラ、竹中直人が登壇した。
登壇者がステージに揃い、東出の「石井監督の作品に参加できたことはとても嬉しいですし、俳優仲間からも羨ましがられます。石井監督の作品に参加できて光栄で万感の思いです」との言葉で幕を開けた今回の舞台挨拶。それぞれが作品への思いを述べた後は、本作で11年ぶりに一度限りのスクリーン復帰を果たした、根津甚八より寄せられた手紙が紹介された。
「演じることは自分にとって生きることそのものでした。それができなくなり、引退は諦めでもありました。(中略)襷を受け取ったと言ってくれた東出くん。その言葉で、演じたいのに演じることのできない無念を断ち切ることが出来ました。東出くんだけではなく、若い俳優たちの姿を見て、自分の思いを次の世代が背負ってくれる、自分はできる精一杯をしたんだという気持ちで俳優人生を締めくくることができました」との内容に、東出は言葉をつまらせながらも、「スクリーンの中で心血注いで演じられている根津さんの姿はとても魅力的で大好きです。(中略)根津甚八さん本当にありがとうございました」と謝辞を述べた。
また、桐谷は「役作りのために健康な役者が太ったり痩せたりするのも凄いことだと思いますが、お体を悪くされた中で石井監督の作品ならと出演された根津さんの役者魂は本当に凄いと思いました」と感嘆。竹中は「役者の仕事とは、役作り云々ではなく自分をさらけ出すことだと思うんです。スクリーンの中に存在する、それだけで根津さんには全然かなわないんです」と、根津の功績を改めて讃えた。
石井監督は「根津さんにオファーしたのは『GONIN』から10年くらいのころだったと思います。それからすぐ映画化というわけにはいかず、さらに10年近くたってしまいましたが、その間にお体を悪くされていきました。でも公開を迎えてオファーしたことの約束が果たせましたし、根津さんもその約束に応えてくれました。ありがとうという感謝の気持ちでいっぱいです」と、根津への感謝の意を伝えるとともに「「楽しい」という感情だけでなく「しんどい」とか「暗い」という感想だってエンタテインメントだと思うんです。どうにかして人の心を動かすのがエンタテインメントだと思っていますので、よろしくお願いします」と、映画の魅力を伝え、舞台挨拶は幕を閉じた。
■公開情報
『GONIN サーガ』
TOHOシネマズ 新宿他上映中
東出昌大 桐谷健太 土屋アンナ 柄本 佑 安藤政信
テリー伊藤 井上晴美 りりィ 福島リラ 松本若菜
菅田 俊 井坂俊哉 / 根津甚八
鶴見辰吾 / 佐藤浩市(友情出演) / 竹中直
監督・脚本:石井 隆
劇中歌:「紅い花」 歌:ちあきなおみ
「ラスト・ワルツ」 歌:森田童子
エグゼクティブ・プロデューサー:井上伸一郎
企画:菊池 剛 加茂克也
プロデューサー:二宮直彦 阿知波 孝
撮影:佐々木原保志(JSC)山本圭昭
照明:祷 宮信 美術:鈴木隆之 録音:郡 弘道 音楽:安川午朗
ラインプロデューサー:小橋孝裕 キャスティング:東 快彦
助監督:日暮英典 制作担当:高見明夫
製作:KADOKAWA ポニーキャニオン
電通 ファムファタル ソニーPCL
制作プロダクション:ファムファタル
配給:KADOKAWA/ポニーキャニオン
(C)2015『GONIN サーガ』製作委員会
公式サイト:gonin-saga.jp