ロバート・アルトマン監督が映画史に残した足跡とはーー初ドキュメンタリーに寄せられる期待

ロバート・アルトマンの影響とは?

 ここ日本でも、当時の若者たちを熱狂させた『M★A★S★H マッシュ』や、レイモンド・チャンドラーの原作を従来とは異なるテイストで描き出し、松田優作のドラマ『探偵物語』にも大きな影響を与えたと言われている『ロング・グッドバイ』、あるいは村上春樹の翻訳で知られるレイモンド・カーヴァーによる複数の短編を圧倒的手腕で映画化してみせた『ショート・カッツ』など、アルトマン映画はかねてより人気の高い。そこで現在、『ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』の公式ホームページでは、各界の著名人が「私の好きなアルトマン映画」をコメントつきで紹介する企画を実施中。「アドリブ、重なるセリフ、中心なき群像劇……ハリウッドがやらないことだけをやり続けたアルトマンに、P.T.アンダーソンやファス・ヴァン・サント、それに『桐島、部活やめるってよ』の原典がある!」町山智浩(映画評論家)、「容貌も仕事ぶりもO.ウェルズをトレースしたかのようなアルトマンの、人情味溢れまくりの天才ぶり。我々は斜に構えるのはもうやめるべきだ」菊地成孔(音楽家・文筆家)など、数多くの著名人が、それぞれの「アルトマン愛」を熱く語っている。さらに、公式ツイッター、フェイスブックでは、「#1日1アルトマン」のハッシュタグで公開まで1日1本、全部で39作あるアルトマン映画を逐一紹介する企画を展開中であるという。

 映画『ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』は、10月3日(土)より、YEBIS GARDEN CINEMAほか全国順次公開。

(文=麦倉正樹)

■公開情報
『ロバート・アルトマン/ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』
10月3日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
監督:ロン・マン
証言者:ジュリアン・ムーア、ブルース・ウィリス、ポール・トーマス・アンダーソン、エリオット・グールド、サリー・ケラーマン、ジェームズ・カーン、キース・キャラダイン、フィリップ・ベイカー・ホール、ライル・ラヴェット、マイケル・マーフィ、リリー・トムリンほか 
原題:Altman/カナダ/2014年/95分 
配給:ビターズ・エンド
(C)2014 sphinxproductions
公式サイト:www.bitters.co.jp/altman

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