ブレイディみかこが現代の“分断”を読み解く『それはどこでも起こり得る』7月刊行 eriを迎えた刊行記念イベントも

ブレイディみかこ、5年ぶりの人文書刊行

 ブレイディみかこの書き下ろし新著『それはどこでも起こり得る 壊れゆく世界への抵抗』(文藝春秋)が、7月15日に刊行される。

 本書は、ベストセラー『他者の靴を履く』(文藝春秋刊)から5年ぶりとなる人文書。「責任の階級闘争」という視点にはじまり、欧州でいま大きな問題となっている、極中、クラス・シーリング、テクノ大衆、リマイグレーション(移民の強制送還)などの言葉から社会の深層を読み解く。

 世界中で分断が深まり、右派ポピュリズムや排外主義が台頭する昨今、イギリス在住30年となる著者は、移民の当事者として社会の変化を感じつつ、いま欧州で起きている事象は日本を含め「どこでも起こり得る」ことを、現在の政治・社会問題を象徴するキーワードを軸に多角的に掘り下げていく。

 本書で取り上げられるのは、「自己責任」という言葉に隠された「責任の階級闘争」、イデオロギーなき「極中」政治と右派ポピュリズムの台頭、「身の程を知る」という呪いと「クラス・シーリング」の真実、欲望を支配するプラットフォームと「テクノ大衆」の誕生、「リマイグレーション」の政治に抗う視点など。混迷の社会における危機の本質をあぶり出すのみならず、他者を支配する「〜に対する力(power over)」ではなく、自ら行動する「〜の力(power of)」を高め、他者と「折り合いをつける」重要性を説く。前著『他者の靴を履く』で、意見の異なる他者を理解する力「エンパシー」を説いた著者が、「個の力」を取り戻し、他者と共有する力(power with)がいかに有効な抵抗線になるかを示す。

 著者のブレイディみかこは、1965年福岡県福岡市生まれ。96年から英国ブライトン在住のライター、コラムニスト。2017年に『子どもたちの階級闘争』で新潮ドキュメント賞、19年に『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』でYahoo!ニュース|本屋大賞2019年ノンフィクション本大賞、毎日出版文化賞特別賞などを受賞している。他の著書に『労働者階級の反乱』『女たちのテロル』『ワイルドサイドをほっつき歩け』『ブロークン・ブリテンに聞け』『他者の靴を履く』『両手にトカレフ』などがある。

 あわせて、本書の刊行を記念した特別トークイベントの開催が決定。ゲストにはデザイナー/アクティビストのeriを迎え、8月25日19時より代官山蔦屋書店にて行われる。近年の国会前デモを牽引し、若い世代から支持を集めるeriと、最新の欧州情勢から“地べた”から始まる「抵抗」のかたちまで語り合う。

■ブレイディみかこコメント

いまという時代のキーワードになっている言葉について考え、それがなぜ人々の口に上るようになっているのか、政治的・社会的な背景を探ってることを試みた久しぶりの書き下ろし本です。自分たちだけは、ここだけは大丈夫ということはもうない時代です。この本に出てくる言葉は、どこの国でも語られるようになる。それはどこでも起こり得るのです

■書誌情報
『それはどこでも起こり得る 壊れゆく世界への抵抗』
著者:ブレイディみかこ
判型:四六判並製カバー装 272ページ
価格:1,760円(税込)
発売日:2026年7月15日
出版社:文藝春秋
ISBN:978-4163921235

Photo: Shu Tomioka

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