世界最大電子コミックプラットフォーム「WEBTOON」米ナスダック上場へ 最高責任者に聞く世界戦略と現地NYの活況レポート
■グローバル戦略の中で、特に注目している国は?
――現在webtoonは世界150カ国で読まれていて、世界の市場にものすごいスピードで影響を与えている状況です。そんな中で今後の戦略的に注目されている国はありますか。
デイヴィッド:日本は非常に興味深いマーケットです。まずマンガやアニメへの高いニーズと消費力があります。日本のマーケット動向で見ると、アメリカや韓国と比べてユーザー1人あたりの平均購入金額が高く、長編コンテンツをエピソード単位で購入する傾向があります。
それに日本のマンガやアニメは、クリエイターの間で築かれてきた名作を生み出す伝統と長い歴史から、今後も素晴らしい作品が登場する可能性が高いと考えています。日本から生まれるマンガは、世界と比べても奥深い作品が多いのです。
根本的に世界のマーケットは、どの国の作品ということは関係なく、おもしろいストーリーを求めています。もう少し時間が経てば、アメリカや他の世界市場とも比較し、私の焦点も変わってくると思いますが、今は日本に集中しています。なぜなら、日本のマーケットの分析や結果から得られる知見は、どこの国でも応用できると考えているからです。
髙橋:ナンバーナインが制作をした人気webtoon作品『神血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~』やソラジマの『かたわれ令嬢が男装する理由』などは、日本で人気でしたが、海外においても、特にアメリカにおいてもトレンドランキングに入るようになってきました。一方で、アメリカでランキング1位となった『ロア・オリンポス』という作品は、日本ではヒットしづらい状況にある。それぞれの国のユーザー属性やカルチャーの違いによって楽しめるコンテンツと、誰もが同じように楽しめるコンテンツの二極化しているのはと感じています。日本ではユーザーのおよそ50%が35歳以上、逆にアメリカは35歳以上が6%くらいしかいません。
これは日本の「週刊少年ジャンプ」(集英社)の黄金期と似ています。ジャンプでマンガに触れた読者がずっとファンでいて、その人たちが今後も変わらずに購買層になっていく状況が作れるのではと考えています。デイヴィッドはとても日本に可能性を感じてくれていますが、僕にはアメリカのマーケットがすごく魅力的です。もちろん日本でも変わらずにがんばっていきますが(笑)
デイヴィッド:アメリカのユーザーはWEBTOONを国内のサービスと思っていないでしょう。非常に便利なデジタルフォーマットで、他のどこにもないおもしろいマンガを読める方法だと考えているのです。スマートフォンでスクロールするだけで、ストーリーが一目でわかる利便性も高い。私の目には、アメリカのマーケットはすでにWEBTOONを受け入れる準備が整っていて、誰もが遠く離れた異国の文化から、母国語ではない言語で発信される素晴らしいストーリーを見つけたいと思っています。
地理が離れて言語や文化が異なっていると伝わりにくいと否定的に捉えられてきた状況があった中で、とてもポジティブなことかもしれません。縦読みのフルカラーマンガは、現在における、偉大な芸術品のひとつだと思います。少し哲学的な話をしましたが、私はさまざまなデータから、その動向がより広がっていくことを確信しています。
――次の目標はなんでしょうか?
髙橋:グローバルに読者が増えてきているのは魅力的です。日本のクリエイターがグローバルの読者に対ししっかりと作品を提供していけるクリエイターファーストのマーケットを作るのが一つの目標です。圧倒的ナンバーワンになるのはもちろんですが、その先にはグローバルに浸透し、世界中の誰もが知っているようなIPをどのように日本のクリエイターが作っていくのかが最大のミッションだと考えています。
*データはすべて以下より抜粋
https://www.nasdaq.com/market-activity/ipos/overview?dealId=1298105-110316
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