『王様戦隊キングオージャー』ミステリアスなリタ役とは正反対 女優・平川結月の素顔とは?

リタ役で脚光! 平川結月インタビュー
平川結月『ゆづき。』(ワニブックス)

 俳優・平川結月の1st写真集 『ゆづき。』(ワニブックス)が5月2日に発売される。『王様戦隊キングオージャー』でミステリアスな雪国の国王リタ・カニスカの好演が記憶に新しいが、その素顔は眩しい笑顔と明るい性格を持つ熊本生まれの22歳だ。

 そんなギャップがユニークな彼女は、2018年に「LDH Presents THE GIRLS AUDITION」で約1万人の応募者の中からボーカル・ダンス部門のグランプリを獲得して芸能界デビュー。その後、ドラマや映画、CMなどで活躍し、今年2月からは雑誌『ELLE girl』の次世代コミュニティ「ELLEgirl UNI」のメンバーとして、様々なライフスタイルも発信している。

 写真集 『ゆづき。』は、リタ・カニスカを彷彿とさせるような雪国の秋田で撮影。役柄のクールなキャラクターから一変、等身大の自然な表情を見せている。『キングオージャー』の放送が終了し、さらなる躍進が期待される中で、平川はどのような想いで撮影に挑んだのか。デビューから現在までを回想してもらいつつ、その心中を語ってもらった。(小池直也)

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私にとって芸能界は遠い世界だった

――平川さんは「LDH Presents THE GIRLS AUDITION」のグランプリ獲得をきっかけに芸能界デビューしています。そもそも、なぜ同オーディションに応募したのでしょうか。

平川結月(以下、平川):動機はシンプルに好奇心です。もともと部活でバスケットボールをしていて、習い事ではエレクトーンや水泳、ビーチバレー、陸上などをやっていましたが、ダンスや歌は習ったことがありませんでした。私にとって芸能界は遠い世界だったんです。でも、LDH所属のアーティストは全般的に好きでした。ある日、テレビ番組『週刊EXILE』(TBS系列)でオーディションが行われることを知って、しかもその会場が、熊本出身の私にとっての憧れだったEXPG STUDIO FUKUOKAだったこともあり、受けてみようと思ったんです。もちろん、まさか自分がグランプリになるとは思ってもみなかったのでさすがに驚きましたが、「人生は一度きりだし楽しもう」と思い、デビューを決めました。

――EXPGの特待生など、ハイレベルな参加者も多い中で、現iScreamのRUIさんとのW受賞となりました。

平川:参加者の多くは、私が遊んでいた時間に夢に向かって努力を続けてきた方々ですから、会場ではその熱量とスキルに圧倒されました。でも、技術不足は仕方がないので、今やれることを全力でやるのみだと思い、羞恥心を捨てて食らいつきました。そのガムシャラな姿が評価に繋がったのかなと今は思います。

――ボーカル・ダンス部門での受賞でしたが、実際にはお芝居の道に進んでいます。そのきっかけは?

平川:受賞後に色々なレッスンを受けさせてもらい、その中にあったのがお芝居でした。実際にやってみて、歌とダンスよりも自分にはこれが合っているのかなと感じました。最初はひたすらに恥ずかしかったのですが、外部のレッスンを受けた時に、同年代の方々の自由な表現に刺激を受けたんです。「同じテーマの演技でも、アウトプットはこんなに違うのか」という発見があったのと、「負けたくない」という闘争心が湧きました。もともと負けず嫌いな性格なんです。

特撮ヒーローは国境を超えて愛されている

――『王様戦隊キングオージャー』は、平川さんの出世作と言えると思います。役が決まった時のことを教えてください。

平川:若手俳優の登竜門である『仮面ライダー』や『スーパー戦隊シリーズ』は、事務所に入ってから毎年オーディションを受けていました。いつかは出たいと思い受けていたのですが、特撮ヒロインは天真爛漫で可愛らしい人というイメージがあったので、自分とのギャップがあるようにも感じていました。そのため、選考の段階から「私はヒメノ・ラン役ではないだろう」と思っていましたし、一方でリタ・カニスカ役は「自分がやらなきゃ誰がやるんだ?」と思うほど、演じたかったです。オーディションには、「これを逃したら、もう特撮には出れないぞ」という覚悟で挑みました。合格した時に安心したのを覚えています。1カ月半ほどのオーディション期間中は、とにかくプレッシャーが大きかったです。

――感情を表に出さない「不動」の国王であるリタ・カニスカ役を演じるにあたって、苦労や印象的なエピソードがあったら教えてください。

平川:「不動」というキーワードに囚われて、動かないことを意識しすぎてしまったことはあります。でも、1年間に渡って演じ続けるなかで、キャラクターを崩すトライもできたと思います。役として特に印象深いのは、25話「王と民の戦い」。国王や裁判長ではなく、一人の人間として側近・モルフォーニャを頼ることでふたりの距離がぐっと縮まる回です。そのコミュニケーションによって、リタが成長するのも印象深い話でした。

(所属する)LDHのTHE RAMPAGEさんが登場した38話「不動のアイドルデビュー」も思い出深いです。台本をもらう前から「次回はアイドルをやる予定です。ダンスもあります!」と言われていて、どんな経緯でやるんだろうと思っていたんです。その後に台本を読んだら歌うことも判明して、レコーディング、水野絵梨奈さんによる振り入れ、衣装合わせとバタバタしながら撮影を迎えました。

【予告】「王様戦隊キングオージャー」第25話
【予告】「王様戦隊キングオージャー」第38話

――歌やダンスに照れはありませんでした?

平川:一切なかったです。恥ずかしいというよりも、体力的に大変でした。歌や振りよりもベースにある「お芝居をどうしたらいいんだろう?」という不安の方が強かったです。ストーリー的にはアイドルシーンの傍らでリタが潜入捜査をしているし、普段の感じで話す場面もあったので。撮影は大変でしたが、その甲斐があってか、放映後の反応などを見ると楽しんでいただけたのかなと思います。Xで「LDH所属」がトレンド入りしていたのも嬉しかったです。

――『王様戦隊キングオージャー』は海外のファンも多くいるようです。

平川:SNSで海外の方からのメッセージが増えました。特撮ヒーローは国境を超えて愛されているんだなと、その伝統を改めて感じました。そんな作品に自分が出演させてもらえたことは光栄です。

――他の国王役の出演者とは交流がありましたか。

平川:撮影の終了後とかに、一緒にご飯を食べたりしていました。王様役の中では私が最年少でしたが、性別や年齢関係なく仲が良いです。みなさん、周囲のことを気遣う方ばかりで、思いやりに溢れる現場でした。このメンバーで1年間お仕事ができたことは、忘れられない思い出になりました。

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