滝沢ガレソのX閲覧不可問題 ジャーナリストに聞く「暴露系インフルエンサー」の今後と「週刊誌」への影響

 誤報や行き過ぎた私刑という問題もあるなかで、それでも多くの読者を惹きつけ影響力を拡大し続けている暴露系インフルエンサーは、今後どうなっていくのか。井上氏は「YouTubeでも広告収益が厳しくなってきているなかで、有料のサロン化が進むのでは」と予測。一方の赤石氏は、「現状の収益性の高さにあぐらをかいていると危険だと思う」と、インフルエンサーに警鐘を鳴らした。

「いま儲かっているのであれば、どこかでタイミングで投資を行いクオリティ・ターンをしないといけない。取材スタッフを増やしてより精度の高い独自情報を出せる体制を作るとか、ファクトチェック体制を強化するなどを行うべきだと思います。彼らもメデイアであると考えると、メディアの歴史ではいい加減なメディアは一時期売上を伸ばすが、やがて衰退していくという経緯を辿ることが多い。現状にあぐらをかくことこそが危険で、新メディアとして成長していくのか、ただの“お騒がせインフルエンサー”として消えてしまうのかーーその岐路に差し掛かっていると考えた方がいいでしょう」(赤石氏)

 ある意味ではアテンション・エコノミーを体現し、社会を不安定化させかねない危険性を孕んでいるが、しかしその拡散力で知られざる社会問題に目を向けるきっかけも作っている暴露系インフルエンサー。今回の閲覧不可騒動で、その活動を特定のSNSに依拠することのリスクが顕在化したとも言えるが、今後ジャーナリズムと呼ぶべきものに成長し、週刊誌が果たしてきた役割を一定程度代替するものになっていくのか。情報の正確性については十分に留意しつつ、引き続きチェックしていきたい。

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