【漫画】祖母のお葬式、母の一言でまさかの展開に!? 「笑ってはいけない葬式」を描いた漫画に反響
――本作を描いたきっかけを教えてください。
三角翠:この出来事があった瞬間から「絶対漫画にしよう」と思っていました。恐らく、自分の人生で一番面白かったことのひとつだったので(笑)。約4年前のことだったのですが、ようやく最近描いてみようかなと思い立ったんです。
でも音声を漫画にするのは苦労しました。音を取り扱っているピアノや吹奏楽系の音楽漫画は難しいことをされているんだなと改めて感じましたね。特にスピード感。速度をどう描いたらいいのかと考えていて、最近やっと描けそうだなと。
――世に出した反響などはありました?
三角翠:「自分も葬式で笑いをこらえるのが大変だった」と話している人がいたのは興味深かったです。
――お母さんがまた味わいのあるキャラクターです。
三角翠:変な人ですよ。一応、親にネームを見せて失礼がないか確認したところ「私もっと失礼なこと言ってたよ」と訂正を入れてきました(笑)。あえてマイルドにしたのですが、結局あった通りに描いていますね。
――最近三角さんは「備忘録」として、エッセイ漫画をよく描いていらっしゃいますね。それについても教えてください。
三角翠:直接思ったことを言語化した上で人に説明しつつ、面白がってもらえればいいかなと思って作っています。直接的に自分の言いたいことを言えるのがエッセイ漫画の魅力だと思います。創作だと抽象的であったり間接的に表現した方が読んでもらいやすいかなと。
普段は自分の話をあまりしないのですが、エッセイ漫画だと自分のことしか描けないじゃないですか。直接的に自己表現ができるのが楽しくてやっているのかもしれません。
――これからもエッセイ漫画は続けていかれます?
三角翠:漫画技術の筋トレ的にやっているので、形式は変えていく可能性はありますが続けていきたいですね。実は適応障害で3カ月入院して、描けない時期が長く続いたことがあるんです。その時期は趣味も楽しみもできなくて。そんな状況の中久しぶりに描いてみたら描き方を忘れちゃったり、人に見せるのが恥ずかしくなったりしていたので、それ以降は描くことを止めないようにしています。
これだけ続けられているのは自分でも不思議です。大事なのはスモールステップだと感じます。最初は落書きでしたが、少しずつ色々と描けるようになった感じですね。描くこと自体が癒しにもなりました。
――自分の日常を創作に落とし込むということで人生が豊かになるのかもしれません。
三角翠:私の場合はそうでした。創作って寝食に比べたら無駄なものだと思うんです。でも「それをあえてやる」ということが「自分のために生きる」ことなのかなと。また言葉になる前のもやもやしている感覚を描いてみると、思考の整理にもなるんですよ。
これからも「自分だけは自分に期待していること」をモチベーションとして、楽しいと思えることに正直な作品を作っていきたいと思っています。