【漫画】人はなぜ求められなくても創作をするのか? 「描く理由」に向き合うWeb漫画に共感の声

ーー本作はXで1.4万以上のいいねを記録するなど、大きな反響を呼んでいます。反響の感想を教えてください。

大場玲耶(以下、大場):たくさんの方にいいねや感想などの反応をいただき驚きました。漫画を創作する「彼女」を描きましたが、さまざまな分野の方から反応していただきました。本作が多くの方に共感していただけたことがとても嬉しく、新たな発見でもありました。

ーー印象に残っている感想は?

大場:「折れてしまいそうな時にこの漫画を読んで、自分が何より創作することが好きだということを思い出した、もう一度頑張ってみる」といったご感想をいくつかいただき、涙が出るほど嬉しかったです。

ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

大場:これを言うと少し恥ずかしいのですが、本作の主人公である「彼女」は私の創作に対する最初の感情、創作する上で絶対になくさない核の部分を擬人化して描きました。

 いま自分が置かれている状況や目指しているもののことを考えると、悔しいけれどこれだけでは進めない。だけど、もしすべてをなくしても、これだけは絶対に残るよねっていう大切な思いを形にしておきたいと思って本作を描きました。

ーー漫画を制作する過程には大変なことも多くあるかと思います。

大場:私は短編作品や、連載作品の「第1話」を作るのが1番大変だと感じます。作品に登場するキャラや、キャラ同士の関係性の魅力を、初めましての状態から可能な限り早く読者に伝えなければならない。それが1番難しいです。

ーーでは対照的に、漫画を描くことの魅力は?

大場:魅力、何でしょうね……。一言で言うと「とにかく楽しい」になってしまうのですが……。

 私は絵を描くのが好きで漫画を描いているタイプなのですが、昔から「私はイラストではなく、漫画でなければ絶対にダメなんだ」と強く思っていました。もちろんイラストを描くのも大好きですが、メインは漫画でなければ、という意味です。

 その理由について考えると、きっとキャラクターの感情や変化を描けるから、感情移入・共感が発生するから、状況に応じたセリフや表情を描くことが好きだから、漫画に強い思い入れがあるのかと思います。

 「描く」ことに特化した話だと、ずっと紙の原稿用紙やペンを使用して漫画を描いてきました。部分的にデジタルツールを使用してきましたが、完全にデジタルツールの使用へ移行したのは5年前くらいのことです。原稿用紙やペンを使う方法、デジタルツールを使う方法、どちらも好きです!

ーー最近はパソコンやiPadなどのデジタルツールを用いて創作する方も増えているかと思います。紙やペンを用いて漫画を描くことの魅力とは?

大場:描いた作品が現物として残ること、漫画を描いている時に紙やインクなどの画材の匂いがすることですかね。対照的にデジタルツールを使う方法はさっと描き始められることや、制作時に汚れないこと、細かな修正がラクであることが魅力だと思います。

ーー本作のなかで印象に残っているシーンは?

大場:6~7ページ目の見開きです。ここが描きたくてこの漫画は生まれました。

ーー大場さんは商業作家としても活動しているかと思います。漫画を描きはじめた経緯、漫画家を目指そうと思ったきっかけは?

大場:漫画制作を始めた経緯は覚えていません。物心ついた頃には絵を描くのが好きで、お絵描きの延長で気づいたら漫画も描いていました。

 子どものころは画家になりたいと思っていましたが、幼い頃に持っていた絵本に登場する画家のキャラクターの絵が怖すぎて、画家ではない絵を描く人になりたいと強く思いました。そのときに漫画家という職業を知り「漫画家になる!」と決めました(笑)。

ーー今後の活動について教えてください。

大場:描きたい漫画は本当にたくさんあるのですが、現在は「レトロゲーとかマジウケる!」という自分の作品を、自他共に認める代表作にすることを目標に活動しています。

 こちらの作品は読者の方に「楽しい気持ちになってもらえたらいいな~!」という気持ちで描いているコメディ作品ですので、ぜひ読んで笑っていただけたら嬉しいです!

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