【漫画】桃太郎がバトル漫画になったら? おじいさんとおばあさんがクソ強い『真MoMo太郎伝説』に注目

――作品の第1話をTwitterに投稿したのはなぜ?

偉流センイチ(以下、偉流):最初は別のサイトに投稿していましたが、もっと多くの人に読んでもらおうとTwitterに投稿したのが始まりです。最初は3万くらいのいいねが付いて、今の担当編集である山本さんに出会い、「ゆくゆくは単行本を出そう」というお話をいただきました。

――本作の制作経緯についても教えてください。

偉流:中学生の頃に遊びで描いた落書きが原点ですね。その頃から、おじいさんとおばあさんが強い物語でした(笑)。なぜその設定にしたかは忘れましたが、当時仲間内で流行っていた島袋光年先生の『世紀末リーダー伝たけし!』に出てくる、たけしのおばあちゃんからインスパイアされたんだと思います。

――大胆な物語の逸脱も魅力です。こちらについては?

偉流:中学生時代からノリと勢いです。『桃太郎』自体がバトル漫画の王道ストーリーですし、思いつくままに描いてました。だから後に描いた『真・浦島太郎伝説』も含めて、「昔話だから」といった計算やこだわりはほとんどありません。誰もが知っていて親しみやすい一方で、「昔話のパロディね」というレッテルで読まれづらい一面もある気はしますね。

――昔の「桃太郎」も読みましたか?

偉流:一応読みましたが、「桃を食べた若返ったおじいさんと、おばあさんから産まれたのが桃太郎」など解釈が諸説あるんですよ。個人としては、それに縛られるのが煩わしいので、「桃が流れてきて、仲間が増えて、鬼を倒す」というアウトラインだけを活かす形にしました。

――中学生時代の落書きの話がありましたが、当時から漫画を描かれていたのですか。

偉流:投稿し始めた時期はほとんど描いていませんでした。スマホの落書きアプリで制作した習作を40話ほど描いているうちに絵がだんだんと上達し、このクオリティで1話から描き直そうと思ったのが『真MoMo太郎伝説』です。どうせならちゃんと描きたい、という想いが強かったです。その間にも45ページの読み切り、100ページの『真・浦島太郎伝説』も描いて、そのなかで絵の描き方を理解していきました。

――背景の書き込みも多いので、制作には時間がかかるのでは?

偉流:そうですね。第1話は別の仕事をしながらということもあり、3カ月ほどかかりました。今は制作に専念しやすいように仕事を変えましたが、更新が遅いのは申し訳ないなと感じています。ただ昔から絵を描くのが好きで、ぼんやり漫画家になりたいと思っていたので、機会に恵まれたことに感謝です。

――今後描きたいものなどがあれば教えてください。

偉流:ひとまず「真MoMo太郎伝説」は完成させたいです。だいぶ長くはなると思いますが、折角ここまで描いてきたので、ビジネスに関係なく最後までは描きたい。それと並行して別の作品も描ければと思います。

――『真・金太郎伝説』的な?

偉流:それも考えましたが『金太郎』は展開が少なく描きづらいんですよ。「熊と戦って、木を倒して、橋を作って終わり」(笑)。それだと現状はTwitterでライトに描く程度かなと。

■作品情報
『真MoMo太郎伝説』
偉流センイチ 著
1巻、2巻発売中

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「漫画」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる