【漫画】へなちょこ卓球部員が、最恐の一匹狼とダブルスを組むと……SNSで読めるバディ漫画が熱すぎる

制作期間は約1年

――『ガロートダブルス』制作の経緯を教えてください。

鷹野:漫画賞に出す作品として制作しました。たしか担当さんに「ダブルスはどう?」と提案してもらった気がします。以前にも卓球漫画を描いたことがあるのですが、その反省を踏まえて「よりメイン2人のキャラの関係性を描けるように」「明るく前向きになれるような話で」ということを意識して作りました。

――制作中の苦労などはありましたか?

鷹野:なかなか上手く練れなかったり、他の作品と並行したりなど、いろいろ重なって制作には1年ほどかかってしまいました。「スケジュール管理は永遠の課題だな」と思っています。

――久我も犬飼もどちらもキャラが立っている魅力的な登場人物でしたね。

鷹野:実際に良しとされるダブルスペアの組み合わせを調べて、卓球のプレースタイルからキャラを作りました。久我は一匹狼、犬飼はそれに振り回されるトレーナーというモチーフで描いています。

――特に犬飼のカッコ良さとカッコ悪さの緩急がしっかり描かれていましたが、このギャップを描く際にどのような点を意識しましたか?

鷹野:普段のへなちょこな姿をコミカルに悲惨に描くという点です。自分の信念に真剣に向き合っているキャラクターはどうしたってかっこいいに決まっているので、「普段の姿をどれだけ残念な奴と思ってもらえるかがポイントだ」と思います。「かっこいいやつじゃん」と思ってもらえたらとても嬉しいです。

――卓球はサッカーやバスケなどとは違い狭いフィールドで展開されるスポーツです。「フィールドが狭いからこそ苦労した」ということはありましたか?

鷹野:卓球は他のスポーツに比べて動きも大きいわけではないので、見せ方には頭を悩まされました。同じ画面が続くのが嫌で、構図を考えることに主に苦労しました。卓球台やネットなどアイテムとの距離が近いので、魚眼っぽくしたり誇張した遠近表現を取り入れたりもしています。

――一方、卓球だからこそ描きやすかった表現は?

鷹野:相手との距離が大きく変わらないので、誇張した遠近表現でも誤解なく伝わりやすいという部分で良かったのかなと思いました。とはいえ、「まだまだ模索が必要だな」と感じます。

――そもそも、本作制作のために実際に卓球のダブルスの試合は結構見ましたか?

鷹野:数はそこまで見れていません。ただ、この話を考える前くらいに東京オリンピックがあり、「伊藤美誠選手と水谷隼選手が混合ダブルスで金メダルを獲得した姿を見た時の高揚感を漫画に反映させたい」と思って制作しました。

――伊藤選手は右利きで水谷選手は左利き。久我は右利きで犬飼は左利きでしたね。利き手が違うダブルスを描くうえで注意したことはありますか?

鷹野:難しさというよりは作画ミスをしないことに注意していました。ただ、犬飼が右手でラケットを持つシーンをうっかり描いてしまい、読んでくれた人に指摘してもらってやらかしていたことに気づきました…。大事なポイントなので気をつけないとなと思っています。

――最後に今後の目標など教えてください!

鷹野:今は連載を目指して担当さんにお世話になっています。これからも読んでいて「こいつアツいな!」「頑張ってほしいな!」と思ってもらえるような人物や話を描いていきたいです。頑張ります!

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