鶴 and 亀(山中柔太朗&髙松アロハ)、TAEHYUNらカバー曲がバイラル急上昇 “現代のメロディ”として響かせる最適な歌唱表現
Viral Chart Focus
Spotifyの「DailyViralSongs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「SpotifyTopSongs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの2月4日付のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:BellyJay「MONTAGEM HIKARI」
2位:鶴 and 亀「LOVE 2000」
3位:TAEHYUN(TOMORROW X TOGETHER)「After this night (Change Street Version)」
4位:日向坂46「クリフハンガー」
5位:LNGSHOT「Moonwalkin'」
6位:クレイジーウォウウォ!!「トンツカタンタン」
7位:ルシノ「ループザルーム (feat. 初音ミク)」
8位:LNGSHOT「Never let me go」
9位:忘れらんねえよ「アイラブ言う」
10位:XmegaLxl「JET SET!」
今週のSpotifyバイラルチャートは、上位3位までの中に、カバー曲が2曲ランクインした。
2位にランクインしたのは、M!LKの山中柔太朗と超特急のアロハ(髙松アロハ)による映画ユニット・鶴 and 亀がカバーした「LOVE 2000」だ。鶴 and 亀は、映画『純愛上等!』でW主演を務める山中と髙松が、本作のために結成した限定ユニット。原曲はhitomiが2000年に発表した代表曲で、自己肯定をストレートに打ち出した、当時のJ-POPを象徴する1曲だ。鶴 and 亀は、リリース同日にMVも公開。公開から約3週間で再生回数は340万回以上を記録している(2月9日現在)。1月26日には『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)に出演。同番組終了直後に映画の公式TikTokへ投稿された動画は、公開約1週間で再生数100万回を突破した(2月9日現在)。続く2月2日には、デイリーバイラルチャートで初登場2位を記録。このチャートアクションは、作品や彼らの注目度と話題性に加えて、テレビ出演を起点に拡散した認知と話題性が、そのままバイラルへと接続した結果と言えるだろう。
その上で印象的なのは、2人がクールとキュート、爽やかさと色気など、相反するキャラクターを固定せず、自在に行き来している点にある。原曲の持つ力強い勢いにライドオンし、奔放に歌うことを楽しんでいるが、ユニゾンでのシャウトなどを抑え気味にし、情報過多にならないバランスに落とし込んでいるところがいい。
3位には、TOMORROW X TOGETHERのメンバー・TAEHYUNが歌う「After this night (Change Street Version)」がランクインした。原曲は、韓国を代表するロックボーカリスト、イム・ジェボムが1990年代に発表したバラードで、歌い手の力量がそのまま露わになる名曲として知られ、これまでも様々なアーティストがカバーしてきた。TAEHYUNがこの楽曲を披露したのは、2025年12月から韓国と日本で放送が開始された音楽番組『チェンジストリート』(ENA/フジテレビ系)だ。同番組は、韓国の放送局ENAと日本のフジテレビがタッグを組み、両国のアーティストが互いの国でストリートライブを行う模様を届け、屋外パフォーマンスを通じてアーティストの生身の歌声を浮かび上がらせる構成となっている。
「After this night (Change Street Version)」でのテヒョンは、繊細な感情表現と柔らかく伸びのあるトーンを軸に、低音域でも声がこもらない安定したボーカルコントロールを発揮し、高低差の大きいメロディを無理なく自分のものへと昇華している。言葉の輪郭が非常にクリアでありながら、その響きは、冷たさを残さず、わずかな甘さを帯びて着地する。こうした歌声の特性は、番組内で彼が歌唱したほかの楽曲にも共通している。いずれもミディアムテンポなバラードだが、Spotifyでは「After this night (Change Street Version)」が約152万回再生、「Did We Really Love (Change Street Version)」が約181万回再生、「I Believe (Change Street Version)」が約150万回再生を記録(それぞれ2月9日現在)。バラードとTAEHYUNの歌声の相性の良さが、リスナー間で確実に共有されつつあることがうかがえる。
2位の鶴 and 亀、3位のTAEHYUNに共通しているのは、原曲の知名度を入口にしながらも、今の自分は何が求められているのか、何が最適なのかをしっかりと見抜いて歌唱しているように聴こえる部分だ。不変のメロディを現代に響かせるために重要なのは、誰が、どの声質で、どの温度で歌ったか。この視点は、今後のバイラルを読み解くうえで欠かせないファクターになってくるかもしれない。
























