Travis Japanは“7人”でこそTravis Japanである 未来へ向けた約束のツアー『VIIsual』初日を観て
昨年12月、2ndアルバム『VIIsual』をリリースしたTravis Japan。彼らは、2025年の年明けから、同作を携えた全国ツアー『Travis Japan Concert Tour 2025 VIIsual』をスタートさせた。このツアーは6月まで続く予定で、先日アナウンスがあったように今年夏頃には、アジアとアメリカを巡る2度目のワールドツアーの開催も控えている。
国内アリーナツアーと初のワールドツアーを経験した2024年を経て、今回の国内ツアーと2度目のワールドツアーへ。次々と国境を越えていくダイナミックなTravis Japan流のサイクルが完全に確立しつつあり、2025年は彼らにとって例年以上に大きな飛躍の一年になりそうだ。本稿では、ツアー『Travis Japan Concert Tour 2025 VIIsual』の初日にあたる1月4日の横浜アリーナ公演の模様をレポートしていく。
開演前には、メディアを対象とした囲み取材が行われた。まずは今回のツアーについて、リーダーの宮近海斗は、「期間が長いので、時が経っていくごとに成長していくと思う。そういった部分での楽しみも皆さんにお届けできるんじゃないかなと思いました」と語る。また、新しく発表された2度目のワールドツアーについては、「去年経験して、『また絶対やりたいね』っていう想いはやっぱりより強くなって、それがこうやって実現するというのは僕らにとって刺激になりますし、もっともっと頑張ろうと思うし」「(ツアーに参加するファンたちに)『行ってくるよ』と思いを馳せてもらえるように、全力をぶつけたいなと思っていて。このコンサートへのモチベーションにもなりました」と意気込みを伝えた。
続けて宮近は昨年12月から体調不良のため活動休止中のメンバー・川島如恵留にも触れ、「今も想いは7人で、その想いを込めたコンサートというのは変わらないので、今は(川島には)ゆっくり休んでもらって。どこから参加できるかはわからないんですけど、この先の未来、7人でステージを作りたいっていう想いは変わらないので」と、グループを代表して答えた。
最後の質問は、2025年の目標。宮近は、「もうどこにもとどまらないくらいに、スーパースターになります」「誰になんと言われようとも、自分たちのやりたいことと、ファンの方が求めていることを信じて。新しいことを経験をさせてもらえる機会がたくさんあるんですけど、それを大事に、そしていろんな人を大事にして、Travis Japanが唯一無二って思われるように、自分たちで信じてやっていく年にしたい」と力強く答えた。この話の流れで、中村海人は、「Billboard(チャート)に入りたい」「まだ先のことかもしれないけど、グラミー賞をグループとして狙っていきたい」と将来的なビジョンを語った。
その後には、今回のツアーに向けた気合い入れが行われた。宮近が「ファンの人がいてこそTravis Japanなので、ファンの人たちが『めちゃくちゃ愛感じたな』『楽しい』と思ってもらえるような2025年にしちゃっていいですか?」と問いかけると、全員が「賛成!!!!!」と力強く答え、囲み取材は幕を閉じた。
ライブ会場に入ってまず目を引いたのが、メインステージの中央からアリーナへ伸びた巨大な花道“VIIsualロード”だ。街のセットが組まれたメインステージには、メンバー7人全員の名前のネオンライトが装飾されていることにも気づく。開演時間になると、会場が暗転。「Overture」を経て、7つのダイヤ型照明=“VIIsualダイヤモンド”に照らされながら、白いスーツをまとったメンバーがステージ下からせり上がる形で登場。巻き起こる歓声のなかライブはスタートし、宮近は「横浜、ぶち上がっていこうぜ!」と観客を熱く煽っていく。
今回のツアーのセットリストにおける要となっているのは、2ndアルバム『VIIsual』の楽曲たち。「Crazy Crazy」では、“VIIsualロード”に光が伸び、その上をメンバーが横に並んでゆっくり歩きながら、正面だけでなく上手側と下手側の観客とも親密なコミュニケーションを重ねていく。「Sweetest Tune」では、“VIIsualロード”の先端のステージ上で、6人が外向きの円になって全方位の観客と向き合いながらパフォーマンスを送り届けていく。広大な横浜アリーナを舞台としながらも、距離よりも親密さを感じられる演出で、メンバーからファンへの想いが熱い実感を通して伝わってくるのだ(なお、のちのMCでは今回のツアーの総合演出は中村が担当しつつ、メンバー全員の想いが随所に織り込まれていることが伝えられた)。
『VIIsual』には、各メンバーがプロデュースした楽曲が収録されており、それらのナンバーは今回のライブにおいても重要なハイライトを担っていた。グラスに氷が落ちる音から幕を開けた「Whiskey and Tonic」では、メインステージにバーのセットが組まれ、それぞれのプライベートな一面を垣間見るようなカジュアルなパフォーマンスが展開された。ジャジーなピアノの調べに導かれて幕を開けた宮近プロデュースの「Fireflies」では、妖艶でアダルトなムードのなかで、calinが振付けを手掛けたダンスがよく映えていた。川島プロデュース曲の「Underdogs」では、“VIIsualロード”の先端に設置された新型トロッコ(ホワイトタイガー型)にメンバーが乗り込み、観客による鮮やかなタオル回しが巻き起こるなか、アリーナを後方へ向かって直進しながら、後方のステージへ到着。その瞬間、後方のステージの前に置かれた7台目のトロッコ――つまり、川島のトロッコがスポットライトによって照らし出された。囲み取材で宮近が「今も想いは7人」と語っていたように、アルバム『VIIsual』(VII=7人)を冠した今回のツアーには、「7人でこそTravis Japanである」ということを伝える演出が随所に織り込まれていた。このトロッコの演出もそのひとつ。この日のライブでも、特に胸が熱くなるハイライトとなった。