ロックバンド Blue Mashが夢を掴んだ熱狂の夜――革命の瞬間、魂の叫びが導いたメジャーデビュー

Blue Mashが鳴らした革命の瞬間

「おまえたちが掲げてくれた拳が、俺たちをここまで導いてくれました」

 冒頭があれだけの衝撃だっただけに、しんみりしたまま終わるわけがない。「騒ぎ散らかせ!」の声をきっかけに、ライブのクライマックスは「ロックバンド症候群」ではじまり、会場は上を下への大騒ぎとなった。セットリストも無視で、3曲目にやった「M19」を、急遽ここでもう一度演奏するという大胆さ。客席に苦しそうな子を見つければ、曲を途中で止めて頭からやり直すという心遣いも。

Blue Mash(撮影=タカギユウスケ)

 息苦しいほどの熱気に満ちあふれた会場。「バンドを始めて7年、何度も辞めようと思ったけど、バンドを続けてて本当によかった」と、再び始まった自分語り。そして「来年春にBlue Mashは、ビクターからメジャーデビューします!」と突然の発表。「まじでありがとう。おまえたちが見つけてくれたおかげです。おまえたちが掲げてくれた拳が、俺たちをここまで導いてくれました」(優斗)。その後の盛り上がりは言わずもがな、だ。アンコール「愛すべき日々」まで一気呵成で走り抜け、観客も拳を掲げて体を揺らし続けた。

Blue Mash(撮影=タカギユウスケ)

 音源を聴くと、切ないラブソングや人生経験を熱くエモーショナルに歌った青春ロック。しかしその実は、中学生の頃に抱いた衝動を消化しきれず、悶々としたまま成長した22歳の叫びだったのだろう、と思わされた。ロックという幻想をピュアに信望し続け、みんなの拳を道しるべに、この日ついに掴み取ったメジャーデビューという夢。大阪府寝屋川市出身、2002年生まれの4ピースロックバンドが、邦ロックシーンに革命の火を灯す。

■セットリスト
Blue Mash『この街を出て -大都会終結編-』
2025年12月16日@LIQUIDROOM

M01.素直
M02.セブンティーン
M03.M19
M04.2002
M05.春のまま
M06.このまま僕らが大人になっても
M07.嘘つきの話
M08.桜新町
M09.泣くな東京(新曲)
M10.17歳
M11.僕は嘘つき、君は沙希
M12.彼氏3
M13.マーガレット
M14.東京ラストティーン
M15.ホワイトノイズ
M16.ロックバンド症候群
M17.M19
M18.海岸線
M19.この街から
<アンコール>
M20.愛すべき日々

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