Mega Shinnosukeはなぜバズり続ける? “ネタの宝庫”としての存在感、「ごはん食べヨ」「愛とU」ヒットの連鎖

Mega Shinnosukeが相変わらずバズりまくっている。
直近でいうと、TVアニメ『野原ひろし 昼メシの流儀』(BS朝日)オープニング主題歌の「ごはん食べヨ」。彦摩呂、ねづっち、オカモトレイジ(OKAMOTO’S)、みやぞん、崎山蒼志らがMegaとごはんを食べまくるドキュメンタリー風のMV(監督はMega Shinnosuke自身が担当)も話題を集め、楽曲自体もバイラルヒットしている。そして、その“バズ”を加速させているのが本人のXでの投稿だ。
“自分にとって面白いことをやりたい”という純粋なモチベーション
原作のコミックを持ちながら「ごはん食べヨ」を歌う「野原ひろしの曲 #本人」のユニークな投稿をはじめ「おれの曲バキ童さんが歌ってて熱い」、「ごはん食べヨ」のSpeed Up Ver.への反響に対して「「愛とU」からの手法」であると引用RPしたツイートなどが次々とバズり、楽曲のヒットへと直結しているのだ。
野原ひろしの曲 #本人 pic.twitter.com/w4Fzx6CvMV
— Mega Shinnosuke : p (@MegaShinnosuke) November 12, 2025
「ごはん食べヨ」以外にも、バズり倒しているMega。楽曲「Harajuku」を提供したKing & Princeが開催した『King & Princeとうちあげ花火 2025』を訪れた際の写真を載せた「Harajuku作曲者はキンプリと会った」、さらにネットニュースにもなっていた「みんな全然信じてくれてないけど めがしんのすけ本当に本名だよ」、「俺への悪口ラーメン「メガチキン野郎」」など名前に関する投稿も、今や定番(?)。とにかく彼は“ネタの宝庫”なのだ。
Harajuku作曲者はキンプリと会った pic.twitter.com/Kc75DSmdhQ
— Mega Shinnosuke : p (@MegaShinnosuke) November 16, 2025
みんな全然信じてくれてないけど
めがしんのすけ本当に本名だよ https://t.co/l7ppXDNsnH pic.twitter.com/2O08InrCld— Mega Shinnosuke : p (@MegaShinnosuke) October 15, 2025
当たり前だがインフルエンサーではないMegaにとって、Xバズは仕事でなく、アーティストとしてのスタンス、楽曲を拡散するための手段のひとつに過ぎない。それが最も上手くハマったのが昨年のヒット曲「愛とU」の鬼バズだ。
“愛と欲”をテーマに掲げ、葛藤し、こじらせ、もつれる若者を描いた「愛とU」は、なえなのや“むくえなちっく。”のむくといったインフルエンサーがTikTokで音源を使用して投稿。歌詞検索サービス・歌ネットからSHIBUYA109のトレンドランキングまで幅広いメディアで注目を集めて、SNS総再生回数はなんと13億回を突破している。
TikTok、XをはじめとするSNSでバズを生み出し、バイラルヒットに結びつけるという現代J-POPのセオリーを理想的な形で実現しているMegaだが、おそらく本人はバズらせることに重きを置いてない。もっと言えば、ほとんど興味がないような気がする。
17才の時に書いた「桃源郷とタクシー」で一気に注目を集め、「愛とU」をはじめとするバズヒットを飛ばし続けているMega。自身で手掛けるMVの面白さ、独自のファッションセンスやアートワークにおけるフックの強さを含め、SNS施策に長けた現代的なアーティストというイメージが強いが、その根本にあるのは“自分にとって面白いことをやりたい”というあっけないほど純粋なモチベーションだ。
筆者は最近、本人に取材する機会があったのだが、マーケティング的な発想はまったくなく、自分の創作意欲に忠実という印象が強く「やっぱりそういうスタンスなんだな」としっかり腹オチした。逆説的ではあるが、ただただ面白いこと、楽しいこと、グッとくることを追求しているからこそーーつまり“狙ってる感”がまったく感じられないからこそーー彼のプロダクトは多くの人をこれほどまでに惹きつけまくっているのだと思う。
そんなMegaの姿勢がさらに際立っているのが、最新アルバム『天使様†』だ。
本作のセルフライナーノーツ(Apple Musicトラックバイトラック企画より)で彼は、こんなコメントをしている。
「令和の東京を生きるただの独りの若者として表現し 日記のように等身大の作品を作り続けたいと生きています」
これを筆者なりに解釈すると、“思ったこと、感じたこと、やりたいことをそのまま曲にしています”ということなのだと思う。
実際、このアルバムに収められた楽曲は驚くほど明け透けだ。
恋愛経験が豊富な恋人に対する複雑な感情を映し出す「禁断少女10」、“トラウマも財産にして生きていく”という思いを描いた「トラウマ」、〈誰もが明日を愛せるはずだから〉というあまりにも率直なメッセージを奏でる「今を踊ろう」。そのすべての根源にあるのは、Mega自身のリアルな体験や思い。本作は正真正銘の“シンガーソングライターによるアルバム”と言っていいだろう。























