Mega Shinnosukeとは何者? 『FNS歌謡祭』でTV初披露「愛とU」に反響、“共感”を生むポップスターの歩み
![『FNS』出演で話題、Mega Shinnosukeは何者?](/wp-content/uploads/2024/12/20241213-mega-99.jpeg)
12月11日、毎年恒例の大型音楽番組『2024 FNS歌謡祭』第2夜(フジテレビ系)が放送された。2024年を彩った様々な世代、ジャンルの面々が並び立ち豪華なパフォーマンスを繰り広げる中には、この日地上波での初歌唱を飾ったアーティストも。その1人が、フジテレビ社屋のシンボルである球体展望室から歌声を届けたMega Shinnosukeだった。FRUITS ZIPPER、コレサワ、乃紫に続いて「2024 TikTok ヒットソング」として紹介されたMega Shinnosukeはジャケットにネクタイという出で立ちで、SNSでの総再生回数10億回を突破したヒットソング「愛とU」を披露。パフォーマンス前には司会の相葉雅紀からの「バズって変わったことは?」という質問に「小学校の給食の時間に流れているらしく、小学生からメッセージが届きます」と回答。Mega Shinnosukeの名前とその音楽が一気に浸透した2024年を振り返っていた。
FNS歌謡祭 ありがとうございました!!
"愛とU"を披露させていただきました
Mega Shinnosukeです!!!!実はビデオ監督もしているので
YouTubeでMusic Videoご覧下さい!#愛とU #FNS歌謡祭 #megashinnosuke↓ココからみれるネ𖤐 ̖́-https://t.co/XnfbO9Qj9N pic.twitter.com/mRaiAmDBm1
— Mega Shinnosuke : p (@MegaShinnosuke) December 11, 2024
Mega Shinnosukeは2000年生まれの現在24歳。今回の放送でMega Shinnosukeの音楽に初めて触れたという人もたくさんいるだろうが、2017年から地元・福岡で楽曲制作を始め、2018年からは現在と同じMega Shinnosuke名義での活動をスタート、翌2019年にはSpotifyが選出する期待のアーティストのリスト『Early Noise』にピックアップされ、全国デビューを果たし……と、これまで着実に実績を積み上げ、ファンベースを拡大してきたアーティストだ。実績といえば、番組内で紹介されていたように他アーティストへの楽曲提供も多数。菅田将暉に提供した「星を仰ぐ」やKing & Prince「Harajuku」、さらに入野自由、私立恵比寿中学、小林私らの楽曲を手掛け、その多くが好評を博してきた。
つまりそもそも実力も実績も充分なアーティストであるわけで、そういう意味では「ついに時代がMega Shinnosukeに追いついた」と言ってしまってもいいのではないかと思うのだが、重要なのは「愛とU」がそもそも「バズること」を目的に作られた楽曲ではまったくない、という点だ。いや、実際にどうだったかはわからないし、この楽曲がとても戦略的に作られ、TikTokで火がついてからも効果的なプロモーションによって広がっていったことは事実なのだが、そもそもMega Shinnosukeは(いくつものインタビューで語られているとおり)、そういうものを“狙って”音楽を作ることをとてもダサいと思うタイプの音楽家である。音楽を作り始めたのも高校の時に先輩のバンドのライブを観て「俺のほうが上手く作れる」と思ったのがきっかけだったし、特に初期の彼の楽曲には社会や周りの人々に対する反抗精神が強く表れていた。そのアンチテーゼと反抗精神が、今も彼の音楽の底には脈々と流れている。『2024 FNS歌謡祭』放送に先立つ12月8日、Mega ShinnosukeはZepp Shinjuku (TOKYO) で『ONEMAN TOUR「君にモテたいっ!!」』のファイナルをソールドアウトで迎えた。その日サプライズゲストとして登場した崎山蒼志は自身のXでMega Shinnosukeのことを「ポップスターで、ロックスター」と評していたが、彼はまさにそういうアーティストなのだ。
「君にモテたいっ!!」@東京Zepp Shinjuku
"海をみにいこう"で参加しました!メガくんお疲れ様です!ポップスターで、ロックスターだった https://t.co/hj4rmf4mpH
— 崎山蒼志 official (@soushiclub) December 8, 2024
当初バンドで活動した後、ソロとなって自身で作詞作曲はもちろん編曲からビジュアル表現までを含めすべてをセルフプロデュースするようになってから、その表現はどんどん自由に進化してきた。ポップスを軸にしながらも、「永遠の少年」ではギターロック、「hello shoegaze...」ではハイパーポップ、さらにはヒップホップやエレクトロの要素を取り込んだ楽曲など、そのときどきで目まぐるしくスタイルを変え、時には1曲の中で普通は一緒にならないテイストを組み合わせるなど、常に画一的な定義や固定観念を避け続けるようにしてきた彼の軌跡は、クリシェやステレオタイプを嫌う性格と、奔放で多才なクリエイティビティゆえに可能だったものだろう。