今最も熱いアイドル Juice=Juice、なぜ再評価フェーズに? 「盛れ!ミ・アモーレ」バズの理由、楽曲の強さを解説

 ハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)所属のアイドルグループ、Juice=Juiceの新曲「盛れ!ミ・アモーレ」が話題を集めている。また、同グループの代表曲のひとつ「「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?」のMVが先日YouTubeにて再生回数1000万回を突破した。デビュー13年目を数えるJuice=Juiceがなぜここにきて脚光を浴びているのか? 本稿では再評価に至るまでの流れを紐解いていこう。

後輩メンバーが生み出した“隙アモ”

 今年10月8日にリリースされたメジャー20thシングル『四の五の言わず颯(さっ)と別れてあげた/盛れ!ミ・アモーレ』は両A面で、「盛れ!ミ・アモーレ」は一方の表題曲。ライブ初披露は、8月16日に開催されたハロプロメンバー総出演のコンサート『ハロ!コン 2025』のLaLa arena TOKYO-BAY公演だった。ラテン風の曲調では定番の「オレ!」をもじった「盛れ!」というか掛け声や、〈油断できないわ/シャッターチャンス〉という歌詞とともにメンバーが開脚する大胆な振り付けなどがファンに驚きをもって迎えられた。

 9月1日には公式YouTubeチャンネルにて「盛れ!ミ・アモーレ」のMVが公開され、その全貌が明らかになった。そして、重要なポイントがその2日後の9月3日、YouTubeチャンネル「ファミ通ゲーム実況ch」にて配信された番組『ハロ通GAMES』だ。この日はハロプロの後輩グループであるOCHA NORMAから斉藤円香、米村姫良々、窪田七海の3人が出演し、ゲームで遊ぶ姿を配信するという企画だった。真面目にゲームをプレイする斉藤の後ろで、手持ち無沙汰の米村と窪田が「盛れ!ミ・アモーレ」のフレーズを振り付け込みで口ずさんだりするおふざけを随所に散りばめた。米村がこの行動を“隙あらばアモーレ”、略して“隙アモ”と名付けた。

【ハロプロ】オチャノーマ斉藤円香・米村姫良々・窪田七海の「ハロ通GAMES」。ホラーゲームをプレイ【Five Nights at Freddy's: Help Wanted / 8番出口】

 このワードは番組を観ていたOCHA NORMAファンはもとより、Juice=Juiceファン、そしてハロプロファン全体に広まり、「盛れ!ミ・アモーレ」MVのコメント欄、そしてSNS上などで“隙アモ”、あるいは語尾に“~~アモ”と付けるなど、限定的ではあるが、流行語のような広がりを見せたのだ。

 この約1カ月後の10月3日、東京国際フォーラム ホールAにてイベント『HELLO! IDOL CLASSIC 2025 ハロー!プロジェクト×M-line club VOL.1』が開催された。このイベントはハロプロのグループやそのOGのメンバーが集い、さらに生オーケストラをバックにしたアレンジでライブを行うというもの。イベントの初回であるこの日はJuice=JuiceとOCHA NORMA、さらに譜久村聖、稲場愛香、矢口真里が出演した。イベント内ではファン投票による“私の推し曲”を選ぶという場面があったのだが、まだリリース前にもかかわらず「盛れ!ミ・アモーレ」が1位となり、出演者全員で歌われたのだ。“隙アモ”というワードを誕生させたOCHA NORMAとJuice=Juiceが一緒に「盛れ!ミ・アモーレ」を歌うという、言わば伏線回収が成立した。

ファンによる熱いコール、TikTokでの「踊ってみた動画」の流行

 楽曲初披露からCD発売までの期間、ファンの熱気によってさらに盛り上がりは加速していく。9月6日、7日の両日、MV公開および“隙アモ”誕生の数日後というタイミングで、Juice=Juiceの台湾と香港でのコンサートが開催された。このライブで、ファンたちによって「盛れ!ミ・アモーレ」のコールが完成したとも伝えられている。9月17日からはライブハウスを巡るツアー『Juice=Juice LIVE TOUR 2025 Queen of Hearts』が開幕し、各会場での公演を重ねることでファンによるコールの熟練度も醸成されていった。〈盛れ!〉を一緒に叫ぶのはもちろん、サビ部分の〈アモーレ ミ・アモーレ〉をシンガロングしたり、曲終盤では「M・O・R・E!」と叫ぶなど、Juice=Juice楽曲の中でも一際熱いコールとなっている。

Juice=Juice『盛れ!ミ・アモーレ』Live at Zepp DiverCity 2025.9.17

 シングル発売時に恒例で行われるショッピングモールなどでのリリース記念イベントは、9月21日の大阪を皮切りに千葉、兵庫、東京にて開催。特に最終日の10月9日の池袋・サンシャインシティ噴水広場では、「盛れ!ミ・アモーレ」のライブパフォーマンスのみ撮影がOKとなった。これによりYouTubeやTikTokなどのSNSに、「盛れ!ミ・アモーレ」のライブ動画が多く投稿され、ファンによる熱いコールも込みで、「盛れ!ミ・アモーレ」の盛り上がりが広まっていくこととなった。

 また、TikTokでの「踊ってみた動画」の流行も、「盛れ!ミ・アモーレ」の拡散と浸透に繋がっている。ハロプロメンバー自身や他グループのメンバー、あるいはハロプロOGメンバーがTikTokで楽曲をBGMに踊る動画は、近年の新曲リリース時によく見かける光景ではあるのだが、今回はその広がりがさらにもう一回り大きい印象だ。“隙アモ”でTikTokを検索すると、芸能人や一般ユーザー問わず、数多くの人たちが「盛れ!ミ・アモーレ」を楽しんでいる様子がよくわかる。

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