BUMP OF CHICKEN、米津玄師、Hi-STANDARD、Snow Man、HANA、幾田りら……注目新譜6作をレビュー
Snow Man「BOOST」
11月5日に発売されるアルバム『音故知新』からの先行配信。イントロに響く低音だけでも相当な衝撃が走るが、いわゆるトラックの“上モノ”にあたる音がほぼない、なんとも大胆な構成の楽曲だ。バスドラのキック音、うごめく低音、ノイズにも近いパッド音。すべてのリズムは迫り来る不穏さを鳴らしており、それに焚き付けられるように、もしくは荒波を乗りこなすように、メンバー9人はアジテートに近い叫びやボースティングを繰り出していく。2週間前に配信された「TRUE LOVE」との落差がものすごいのだが、甘さもヤバさもどちらもSnow Man、この振り幅こそSnow Manという自信が漲っている。総勢30名のダンサーが参加するMVは圧巻。(石井)
HANA「My Body」
大塚製薬ボディメンテCM「THE DAY. 花と根」篇タイアップ曲となる新曲。これまで同様制作はちゃんみながメインだが、作詞にはメンバーのMOMOKAも参加。 徹頭徹尾「自分の体は自分のもの」というメッセージに貫かれており、サビの〈君のためじゃない my body〉は、恋人に身を捧げる愛の歌とは対極、今の時代に必要なセルフラブソングとして響く。柔らかくとろけるシンセの音色、モダンで品のあるビート、力みのないそれぞれの歌唱も、半年前のイメージとはずいぶん違うものだ。デビュー当初の強烈なインパクトは、なるほど彼女たちの可能性と奥行きをこのように見せるための仕掛けだったと今にして唸ってしまう。カラフルなMVも目に楽しい。(石井)
幾田りら「Actor」
心地よいハミングから始まる「Actor」(TVアニメ『SPY×FAMILY』エンディング主題歌)は、幾田りらの奥深いポップネスを実感できる楽曲だ。洗練されたコード進行、耳なじみのよさと緻密な構築美を共存させたメロディ、そして、管楽器を取り入れたアレンジメントがバランスよく融合し、聴きやすくて飽きない、ポップミュージックの理想をしっかりと体現している。『SPY×FAMILY』のテーマ性とリンクした歌詞も印象的。〈誰もが着飾り踊るアクター/それでも僕ら/手と手を繋ぎ今日も描く〉というラインは、状況によってキャラを微妙に変化させながら、日常を過ごしている私たちの在り方ともつながっていて、年齢や性別などを超えたあらゆる属性の人の共感を呼ぶことになるだろう。(森)


























